グッドデザインエキシビション2012が開催

2012年12月04日

ゴムタイムス社

 日本デザイン振興会は、2012年度グッドデザイン賞の受賞発表展「グッドデザインエキシビション2012」を、23日から25日までの3日間、東京ビッグサイトで開催した。
 今回から2012年度のグッドデザイン賞を受賞したデザイン1108点をすべて紹介した。
 また、新たに審査委員会が特に高く評価した100点を「グッドデザインベスト100」として発表した。ブリヂストンの低燃費タイヤ「ECOPIA EP001S」が同賞に選出された。

 ▼ブリヂストン
 「ECOPIA EP001S」
 受賞製品は「ラベリング制度」最高グレード(低燃費グレード:「AAA」、ウェットグリップグレード:「a」)を獲得した乗用車用低燃費タイヤ。環境対応としての低燃費性能と、ウェットグリップ性能という安全性の両立は、本来相反する技術的難題であるが、マクロ設計のトレッドパターンデザインと、ミクロ設計であるゴム分子レベルの超微細原材料技術との融合により、業界で初めて国内ラベリング制度の最高グレードを同時獲得した品質が評価された。
 また、同社は低燃費タイヤ「ECOPIA」ブランドシリーズでも受賞。
 同シリーズは安全性能などのタイヤに求められる諸性能を高次元で維持しながら転がり抵抗低減の実現に特化したブランド。 現在ではトラック・バス用、小型トラック・バス用、バン用、乗用車用と様々な車種に向けたラインアップを取り揃えている。
 全ての商品で、環境性能と安全性能・製品寿命などタイヤに求められる性能を両立させながら、低燃費タイヤとして様々なニーズに合わせ用意したことなどが評価された。
 また、オリジナルフォントの制作など、タイヤに意識を向けさせる製品展開も評価された。

 モーターサイクル用スポーツラジアルタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S20」
 同製品は Moto GP用タイヤの開発で培われた技術を搭載したスポーツラジアルのプレミアムブランドタイヤ。新パタンと新コンパウンドを採用し、高い摩耗ライフ性能を維持しながら、高温時のグリップ性能を高めると共に、走行開始直後やウェットのような低温時のグリップ性能も向上させた。
 二輪モータースポーツ用タイヤの開発で培われた解析技術と新コンパウンドを市販車に取り入れ、溝ボリュームの分割位置の最適化から、極めてシンプルな新パターンなどが評価された。
 環境分野として、B・フォレスト エコピアの森プロジェクトも受賞した。
 同プロジェクトは低燃費タイヤ「ECOPIA」ブランドの売り上げの一部を森林整備に活用し、日本の森を守る活動を推進していくという取り組み。
 具体的に間伐材を利用して「エコピアの森」を水源とするミネラルウォーターなどを、タイヤ販売の店頭での一般消費者向けの啓発ツールとして利用するなど、本業を核とするCSR活動が展開している点などを評価。

 横浜ゴム
 同社は2006年から7年連続の受賞となり、7年間でタイヤ、ゴルフ、介護福祉関連の9商品と次世代環境タイヤコンセプト「BluEarth(ブルーアース)」が同賞を受賞している。

 「GEOLANDAR SUV」
 受賞製品ははオンロード走行を重視した都市型クロスオーバー車や中・小型SUV用のタイヤ。
 今回、オンロードおよびオフロードでの性能両立や、CO2排出量の削減とともに車外通過騒音の低減など住環境に配慮した点などが高く評価され、受賞に至った。

 「iceGUARD 5」
 「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」のテーマにそって開発されたスタッドレスタイヤ。 今回、新開発のコンパウンドと非対称トレッドパターンにより、氷上、雪上性能はもちろん、ウェット、ドライなど通常路面での性能も確保した点や、氷上性能を犠牲にすることなく省燃費性能を高めた点、通常路面での安定感も表現され安心感を感じるデザインである点などが高く評価された。

 車いす用エアーセルクッション「Medi‐Air Sky」
 空気調整が簡単で、安心して座れる車いす用エアーセルクッション。体幹安定性の確保や手動ポンプによる空気量の微調整、さらに底付き防止のためのブザーなど、エアーセルを利用する利点をさらに進化させた点が高く評価された。

 住友ゴム工業
 木造住宅用制震ダンパー「MIRAIE」
 同製品は、独自の高減衰ゴムテクノロジーで新開発した高減衰ゴムを採用、振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで地震の揺れを効率良く吸収し、突然の地震や、その後も繰り返し発生する余震の揺れを効果的に吸収し続けることで家の損傷を軽減する。3月に発売された。
 シンプルな納まりでありゴム会社ならではの発明と独自技術の高さが認められた。

 「エナセーブ PREMIUM」
 受賞製品は低燃費タイヤ2年連続販売本数No.1ブランド「エナセーブ」のフラッグシップモデルとして本年2月から販売されている。同製品は新材料開発技術「4D NANO DESIGN」により生み出された新開発低燃費ゴムを採用し、転がり抵抗性能最高レベルの「AAA」(一部サイズは「AA」)、ウエットグリップ性能「c」を達成した低燃費タイヤ。
 無駄な発熱を抑え、低燃費やCo2排出量削減を実現。ラベリング制度最高ランクの「AAA」を獲得し、環境配慮型の自動車性能や自然環境に大きく関わる高品質な低燃費タイヤとしての技術革新が評価された。

 東洋ゴム工業
 「TRANPATH mpF」
 同製品ははドライバーの快適な走行を実現する「しっかり感」の向上とミニバン特有のショルダー摩耗を抑制した、走りにしっかり、揺れにしっかり、進化したミニバン専用タイヤ。転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能b(一部サイズはc)を達成しており、CO2排出量削減に貢献する環境配慮型タイヤとなっている。
 材料配合の最適化により転がり抵抗性能やウェットグリップ性能を向上させ、CO2排出量削減など環境配慮型タイヤを実現しており、ミニバン車専用タイヤとして特有のショルダー部摩耗抑制への取り組みは、トリプルトレッド構造や非対称パターンの採用とともに、全体の剛性向上を実現する車両サイズ別の最適化構造設計から直進性や操縦安定性などのハンドリング性能、静かさなど乗り心地性能を進化させていることを評価された。

 「NANOENERGYシリーズ(0、1、2)」
 転がり抵抗性能の最高基準「AAA」を基本技術としながら、ウェットグリップ性能「b」との組み合わせで低燃費と安全性を両立、あるいはウェットグリップ性能「c」との組み合わせで快適性と摩耗性能を高め、ハイブリッド車などの多様化に対応するなど、転がり抵抗性能「AAA」との組み合わせによるシリーズは、低燃費タイヤを前提にして次世代の電気自動車などに求められる静粛性や快適性の向上など、高次元での取り組みが評価された。

 ヨツギ株式会社
 活線作業用絶縁ゴム手袋 グロバレックスシリーズ
 本商品は、電気工事の際に感電防止のため使用されるゴム製の手袋。活線工事と呼ばれる電流を流したまま行われる大変危険性の高い作業を行う場合人体を保護する目的で使用される。

 材料配合の均質化、不純物の排除、厚みの均一性、表面の平坦性等の追求、全数検査により、高電圧下での絶縁性能保証という難しい課題を解決している。一方、絶縁性能向上のための厚み増加は、掴む握るといった作業性の低下をもたらす。相反する条件下、人間の指・手の自然な状態に合わせて基本的に曲線を採用し、指の形状を曲指型としグリップ性に配慮、手首のくびれも自然な形状とし、装着感の向上を図っている。一般消費者には必ずしも知られていないプロの現場で使用される製品であるが、製造できるのが世界で数社という優れた製品である点が評価された・

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー