【ポリカーボネートの種類・成形方法・製造の概要】
ポリカーボネート(PC)は、一般に二価のヒドロキシ化合物と炭酸との縮合によってつくられたポリエステルの一種である。PCは、1950年代後半にドイツのバイヤー社が発明した。工業的に生産されているものは、ビスフェノールAタイプの非晶性の芳香族ポリカーボネートである。
【ポリカーボネートの特徴(性質・メリット・デメリット)】
① プラスチックの中で抜群の耐衝撃性を有している。
② Tgが145~150℃の透明性で光沢にも優れるプラスチックである。
③ 耐熱性が良好で、低温特性にも優れ、非常に広い範囲の温度(-100~140℃)で使用が可能である。
④ 機械的性質は高温下でも低温でも非常に強い。
⑤ 光に安定で、加工時の酸化は少ない。
⑥ 電気特性に優れ、140℃までほとんど変化しない。
⑦ 吸水性は最大0.36%で、吸水によるひずみが起こらず、寸法安定性にも優れる。成形収縮率、線膨脹係数も小さく、長時間の経時変化も少なく、精密成形部品に適する。
⑧ 自己消火性である。
⑨ 耐候性が良好で、過酷な直射日光、風雨、気温の変化に耐える。
⑩ 毒性がなく、水、弱酸に強い。
⑪ 非晶性なので、芳香族炭化水素、塩素系炭化水素のような有機溶剤に膨潤、または溶解する。またソルベントクラック、ストレスクラックを起こしやすい。
⑫ 非晶性なので、耐摩擦・摩耗性は良好ではない。
【ポリカーボネートの用途と応用分野】
▼電気関係
▽家電部品(テレビ部品、VTR部品、ヘアドライヤハウジング、コーヒーメーカー、アイロン部品、電子レンジ部品、各種光ディスクなど)、電子通信用(リレーケース、LEDランプ、コンピュータ構造部品など)、照明器具(信号機レンズ、照明カバー、懐中電灯など)、1Cトレイ、薄型テレビハウジング
▼機械部品
▽自動車・車両部品;ヘッドランプレンズ、ドアハンドル、メーターカバー、バンパー、カーヒーターファン、車両肘掛け、二輪車風防、窓ガラス、レール絶縁板など。光学機器部品;カメラボディおよび部品、顕微鏡部品など。OA機器部品;複写機構造部品、プリンター構造部品、FDD部品、パソコン部品、ファクシミリ部品など。その他機械部品;ポンプ部品、電動工具ハウジング、フィルターボウル、エスカレーター部品、ノートパソコンハウジング、パソコンモニターハウジングなど
▼雑貨関係
▽日用品;台所用品、玩具、ベビーカー部品、コーヒードリッパー、水道器具部品、水筒、くしなど。文具;万年筆、筆箱、鉛筆削りなど。スポーツ・レジャー用品;スキーゴーグル、空手・剣道防具、ウインドサーフィンのフィン、パチンコ部品、ヘルメットなど。その他;楽器、養魚槽、サンダルなど。
▼医療用途
▽人工腎臓ケース、人工肺ケース、目薬容器、義歯、飼育箱、搾乳器など
▼保安用具
▽工事用ヘルメット、保護眼鏡、消火器部品、道路鋲など
▼シート・フィルム関係
▽シート;車両の窓ガラス、高速道路防音壁、体育館等の窓ガラス、看板、銘板、アーケードドーム、カーポートの屋根など
▼パイプ
▽釣り竿ケース等など
▼フィルム
▽包装用フィルム、コンデンサベースLCD用位相差フィルム、拡散板など
