【塩化ビニル樹脂の種類・成形方法・製造の概要】
塩化ビニルを重合したホモポリマーが大部分を占めるが、酢酸ビニルなどとの共重合体もある。PVCは、1927年にアメリカのUCC社で開発された。PVC製品は重合した粉末状ポリマーに安定剤、可塑剤、着色剤などを加えて混練、各種成形法により製造される。可塑剤の添加量によって硬質と軟質の各種製品が得られる。
【塩化ビニル樹脂の特徴(性質・メリット・デメリット)】
① 透明で硬質だが、可塑剤を加えることにより軟質化ができる。可塑剤とは良くなじむが、可塑剤の種類と量によりコンパウンドの諸性質は著しく変化する。
② 比重は1.4で比較的大きい。屈折率1.51、Tgは70~85℃である。
③ 酸素指数は40~45%でそれ自体難燃性である。
④ 電気絶縁性が良好である。誘電率、誘電正接が大きく、高周波溶着ができる。
⑤ 耐候性に優れる。
⑥ 酸素などの気体透過率が比較的小さい。
⑦ Tgが常温以上なので、低温での衝撃強度が小さい。このためMBS樹脂、ABS樹脂、塩素化ポリエチレンなどをブレンドして耐衝撃性を向上させる。
⑧ 軟質PVCの耐スクラッチ性(耐傷つき性)はプラスチックの中で際立って優れている。
⑨ 硬質は分子量が小さく、熱安定性が悪い。軟質は分子量が大きい材料を用いる。
⑩ 酸、アルカリに耐える。ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素系の有機溶剤に膨潤・溶解する。
⑪ 250℃以上に加熱すると急激に分解が進行する。加熱により、脱塩酸を起こし、黒化する。
【塩化ビニル樹脂の用途と応用分野】
▼硬質製品
▽パイプ・継手(土木・建築、農業資材、電線配線用管、下水管など)、波板、平板、シート(食品容器包装、バルブ、タンクおよび同内張、工業・装飾、窓枠、非食品容器包装など)
▼軟質製品
▽(一般用)レインコート、合羽、雨靴
(包装用)魚類、布地、毛糸、その他
▽一般包装
(農業用)農ビフィルム、各種ハウス用
(シート加工品)袋物、ハンドバッグ、文具用、電線被覆、ガーデンホース、透明ホースなど
