住友ゴム決算 1~9月期 増収も原材料高騰で減益

2017年11月09日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の2017年12月期第3四半期連結決算は、売上収益が6183億1100万円で前年同期比15・7%増、事業利益は302億7200万円で同28・2%減、営業利益は300億3900万円で同27・9%減、四半期純利益は169億8500万円で同38・1%減の増収減益となった。

 主力のタイヤ事業の販売が世界的な経済の回復傾向を背景に、堅調に推移したため増収となったが、原材料価格高騰の影響などにより、各利益項目は減益となった。

 セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は5306億5600万円で同16・6%増、事業利益は242億6700万円で同35・1%減となった。

 国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドでは新商品「ル・マンⅤ」を中心に高付加価値商品の拡販を進めたことに加え、ダンロップ史上ナンバーワンの氷上性能を実現したスタッドレスタイヤ「ウインターマックス02」の早期展開に努めた。

 また「ファルケン」ブランドでは「レッドブル・エアレース千葉2017」に協賛するなど、ブランドの認知拡大に努めるとともに、プレミアム商品「アゼニスFK453」などの高性能タイヤの拡販を推進した結果、売上収益は前年同期を上回った。

 国内新車用タイヤは自動車生産台数が前年同期を上回ったことに加え、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの拡販による納入車種の拡大に努めた結果、販売数量・売上収益は前年同期を上回った。

 海外市販用タイヤは景気の拡大が継続する北米を中心に、欧州やアジアなど多くの国・地域で販売を伸ばしたほか、第1四半期に英国のタイヤ販売会社「ミッチェルデバー・グループ」を取得したことなどにより、販売数量・売上収益は前年同期を上回った。

 海外新車用タイヤは中国をはじめ、ブラジルやトルコでも納入を拡大できたことに加えて、欧州でも増販となり、販売数量・売上収益は前年同期を上回った。

 以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回ったが、原材料価格高騰の影響などにより、事業利益は減益となった。

 スポーツ事業の売上収益は587億4300万円で同8・2%増、事業利益は30億1600万円で同5・8%減となった。

 国内ゴルフ用品市場では、ゴルフ場入場者数は微増で推移するものの、他社製品との競争激化や市況の影響を受けてゴルフクラブ販売が低迷したことなどにより、売上収益は前年同期を下回った。

 海外のゴルフ用品市場では、グローバルに「スリクソン」「ゼクシオ」「クリーブランドゴルフ」のブランドで積極的に拡販に努めており、主に米国で「スリクソン」ゴルフボールで拡販することができたことなどにより、売上収益は前年同期を上回った。

 なお、第2四半期に「スポーツ・ダイレクト・インターナショナル」から買収したスポーツ事業とライセンス事業も増収に寄与した。

 これらの結果、スポーツ事業の売上収益は前年同期を上回ったが、事業利益は原材料価格高騰の影響などにより減益となった。

 なお、来年1月1日を効力発生日として、連結子会社のダンロップスポーツとダンロップインターナショナルを吸収合併する予定だ。

 産業品他事業の売上収益は289億1200万円で同15・8%増、事業利益は29億5000万円で同90・3%増となった。

 医療用精密ゴム部品や制振事業が好調に推移したことに加え、OA機器用精密ゴム部品でもメーカーの生産が回復したことにより増販となった。

 土木海洋などのインフラビジネス販売も好調に推移したため、産業品他事業の売上収益は前年同期を上回り、事業利益も増益となった。

 通期の連結業績予想については、第2四半期に上方修正した予想から変更はなく、売上高が8600億円で前期比13・7%増、事業利益は630億円で同15・9%減、営業利益は630億円で同14・0%減、当期純利益は410億円で同0・9%減となっている。

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