住友ゴムの1~3月期 タイヤ好調で増収も営業益減

2017年05月12日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の2017年12月期第1四半期連結決算は、売上高が1920億7600万円で前年同期比7・7%増、事業利益は121億8800万円で同14・1%減、営業利益は118億3900万円で同12・2%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は85億6000万円で同4・6%増となった。

 タイヤ事業については、タイヤ事業の売上収益は、1655億6700万円、同8・1%増、事業利益は100億7100万円、同22・6%
減となった。

 国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドでは乗り心地性能と静粛性能を大幅に高め、実感できる快適性能を同社新技術「シノビテクノロジー」と、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」で実現した新商品「ル・マン ファイブ」を中心に高付加価値商品の拡販に努めた。また、「ファルケン」ブランドでは「レッドブル・エアレース千葉 2017」に協賛するなど、ブランドの認知拡大に努めるとともに、プレミアム商品「アゼニス エフケーヨンゴーサン」などの高性能タイヤの拡販を推進した結果、売上収益は前年同期を上回った。

 国内新車用タイヤは、自動車生産台数の増加に伴い、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの拡販により販売数量が増加したため、売上収益は前年同期を上回った。

 海外市販用タイヤは、中近東での政情不安に伴う消費の低迷があるものの、景気の拡大が継続する北米を中心に販売数量が増加したことに加えて、当第1四半期に英国タイヤ販売会社「Micheldever Group Ltd.」を新たに取得したことによる英国市場での販売数量の増加により、売上収益は前年同期を上回った。
 海外新車用タイヤは、中国での自動車減税効果などによる販売数量の増加や、欧州での納入を更に拡大したこともあり、売上収益は前年同期を上回った。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回ったが、原材料価格の高騰の影響などにより、事業利益は減益となった。

 スポーツ事業については、スポーツ事業の売上収益は、168億4000万円、同0・4%増、事業利益は10億7400万円、同51・3%増となった。
 国内ゴルフ用品市場では、大きな飛びとスピンコントロール、心地よいフィーリングを実現したゴルフボール「スリクソン ZーSTARシリーズ」などの新製品が好調に推移したが、他社製品との競争激化や市況の影響を受け、ゴルフクラブが前年同期を下回ったことから、国内ゴルフ用品全体としては、売上収益は前年同期を下回った。海外のゴルフ用品市場においては、主に北米や韓国を中心に「スリクソン」、「ゼクシオ」、「クリーブランドゴルフ」のブランドで積極的に拡販に努めた結果、売上収益は前年同期を上回った。

 ウェルネス事業では、コンパクトジム「ジムスタイル」の新規出店を継続したことも売上収益の増加に寄与した。そのほか、海外販売における採算の改善や経費の抑制などもあり、スポーツ事業の売上収益、事業利益は前年同期を上回り、増収・増益となった。 産業品他事業の売上収益は、96億6900万円、同15・5%増、事業利益は10億3800万円、同134・9%増となった。

 国内市場では公共投資が底堅い動きで推移したこともあり、インフラ系商材の販売が好調に推移し、制振事業では住宅用制震ユニット「ミライエ」の拡販を進めた。また、海外市場でも医療用ゴム部品については欧州中心にグローバル展開を進め、プリンター・コピー機用精密ゴム部品についても順調に販売を伸ばした。そのほか、総原価の抑制もあり、産業品他事業の売上収益、事業利益は前年同期を上回り、増収・増益となった。

 通期の連結業績予想については、当初予想からの変更はなく、売上高が8500億円で前期比12・3%増、事業利益は500億円で同33・3%減、営業利益は500億円で同31・8%減、親会社株主に帰属する当期利益は330億円で同20・2%減を見込んでいる。

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