昭和電工 ハイシリカゼオライト製造

2013年07月25日

ゴムタイムス社

 昭和電工と米国UOP社(以下、UOP)の合弁会社であるユニオン昭和は23日、ハイシリカゼオライトの日本での製造を決定し、昭和電工東長原事業所(福島県会津若松市)において、生産設備の建設に着手したと発表した。
 ハイシリカゼオライトは、吸着材である合成ゼオライトの一種で、高い疎水性により、揮発性有機化合物(VOC)などの吸着に使用される。今後、環境、エネルギー、生活関連分野での需要増加が見込まれている。
 ユニオン昭和は従来、UOPモービル工場からハイシリカゼオライトを輸入し国内向けに販売を行ってきたが、同品は世界的に需要が増加し、需給がタイトな状況が続いている。特に日本およびアジア地域では、環境意識の高まりや生活水準の向上から、今後、さらなる需要の拡大が見込まれる。同地域に対する安定供給と新規用途への速やかな対応、技術サービス等を強化するため、UOPグループのグローバル戦略の一環として、今回、同グループとして2拠点目となる同品の製造拠点を日本に新設することになった。すでにプラントの設計や一部機器の発注を終えており、新設備での商業運転開始は2014年3月を予定している。
 同品は、合成ゼオライト中のシリカ成分の比率を高めることにより、疎水性をもたせ、水分よりも揮発性有機化合物(VOC)や、臭い成分を優先的に吸着する高機能性吸着剤。特に、プラスチック製品や繊維素材等に混合しての脱臭、ガス吸着、有害VOC除去、バイオガスの精製、船舶バラスト排水の殺菌等の用途でのニーズが高まっている。
 ユニオン昭和は現在、三重県の四日市工場で脱水・乾燥用、精製・分離用等の親水性の合成ゼオライトを製造している。新設備完工後は三重県と福島県の2製造拠点体制を活用し、福島第一原発内の汚染水処理や広域除染、廃炉に向けての放射性核種処理のための新製品の開発・供給等も行っていく予定。

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