三菱樹脂 中国に太陽光利用型植物工場の合弁会社を設立

2014年07月07日

ゴムタイムス社

 三菱樹脂は7月3日、太陽光利用型植物工場の中国の販売拠点となる合弁会社として、無錫菱陽生態農業設施科技有限公司(無錫菱陽社)を設立したと発表した。

 同合弁会社は、同社の子会社で、太陽光利用型植物工場を展開する三菱樹脂アグリドリームが、中国・江蘇省を中心に展開する農業協同組合の江苏省供销合作総社(チャイナコープ社)の子会社の無錫市三陽生態農業発展有限公司(無錫三陽社)との間に設立された。

 無錫菱陽社は無錫市錫山経済開発区に所在。5月28日に設立。資本金は560万人民元(約1億円)。株主は三菱樹脂アグリドリームが60%、無錫市三陽生態農業発展有限公司が40%。事業内容は植物工場栽培システムの販売、リピート資材(種子、肥料、培地)の販売。

 同社は、チャイナコープ社と共同で、2011年11月に中国・江蘇省無錫市の無錫三陽社に太陽光利用型植物工場の実証設備(1000㎡)を建設し、栽培試験と現地スーパーでの販売を通じたマーケティングを進めてきた。その結果、中国において食の安全・安心に対する意識の高まりを背景に、植物工場で栽培する無農薬野菜に対するニーズを確認し、植物工場の事業採算が見込めると判断したことから、同工場の販売及び販売後の技術サービス等を手掛ける無錫菱陽社を設立し、開業式を実施した。

 無錫菱陽社が販売する太陽光利用型植物工場は、人工光を用いた完全閉鎖型苗生産装置「苗テラス」で苗を育て、その苗を、高機能性フィルム(被覆材)を使用した農業ハウス内に移し、葉菜類用養液栽培システム「ナッパーランド」によって、ほうれん草、春菊、水菜、小松菜、青梗菜等を栽培するもの。通常の土耕栽培に比べて、高品質な無農薬野菜をより多く安定的に生産できる特徴がある。

 今後、無錫菱陽社は、同社の日本で永年培ってきた植物工場の栽培ノウハウと、チャイナコープ社の幅広い販売ネットワークや農業関係者の信頼を有効に活用し、沿岸部から内陸部まで中国全土を対象とした事業展開を図り、農業経営者などに対して2017年までに合計50ヵ所の販売目標を掲げている。

 なお、9月に、顧客に販売する規模の植物工場(3000㎡)を無錫三陽社に設置し、事業運営のモデルケースとして顧客に提案をしていく予定。

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