住友ゴムの12月期中間連結 営業、経常とも6割増

2012年08月10日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業㈱は9日、都内の経団連会館で池田育嗣社長が出席し、12年12月期第2四半期連結決算説明会を開催した。中間期の連結売上高は3337億3400万円、前年同期比11・4%増、営業利益322億6500万円、同63・1%増、経常利益303億2300万円、同60・8%増の増収増益となった。中間純利益は164億2200万円で同83・8%増の大幅な増益。
 経常利益段階における増益要因は、価格修正で147億円、数量・構成比で25億円、直接原価で3億円、スポーツ事業で21億円、産業品他の3億円などが寄与した。これに対して固定費増(24億円)、為替差損(34億円)、その他(32億円)が減益要因となり、差し引き115億円の増額となった。
 「石油系原材料は価格高騰で99億円の減益要因となり、天然ゴムは100億円が増益に働いた。その他5億円を加えて、原材料全体では6億円の増益要因となった」(池田社長)。
 グローバルなタイヤ生産を推進する同社は、新興国での需要増大に対応し中国・湖南工場の開所式を行って、計画の2年前倒しで生産を開始した。
 池田社長は「タイ工場を世界最大級のタイヤ工場へ拡張するほか、ブラジル工場は13年の生産開始を目指す。また、ブラジルに次ぐタイヤ新工場の建設も計画があり、現在は最終の絞り込みの段階。販売戦略ではインド・デリーに市販用タイヤ販売の新会社を合弁で設立することを決定した」などと語った。
 主力のタイヤ事業は、国内市販用は低燃費タイヤの拡販や高付加価値商品の販売構成改善などにより販売は増加した。国内新車用タイヤは自動車生産台数の増加により順調に推移。海外市販用は中国、インドネシア、タイに加えてロシアなどの新興諸国で販売を伸ばした。海外新車用は中国を中心とした自動車生産の拡大に対応して販売数量を伸ばした。
 以上の結果、同事業の売上高は2879億8600万円、同11・7%増、営業利益279億7000万円、同55・3%増となった。
 スポーツ事業は、国内市場では主力のゴルフ商品が好調に推移、海外市場では中国に上海事務所を新設し販売戦略を強化、また欧米でもクラブ新商品やゴルフボールの拡販を行った。
 以上の結果、同事業の売上高は317億2400万円、同12・1%増、営業利益34億4000万円、同185・9%増となった。
 産業品その他事業は、建築用床材が好調に推移したほかAO機器用精密ゴム部品や医療用ゴム栓も販売を伸ばした。以上の結果、同事業の売上高は140億2300万円、同2・5%増、営業利益8億5300万円、同51・0%増となった。

決算を説明する池田社長

 

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー