三菱レイヨン 中国での水処理O&M事業を開始

2012年04月16日

ゴムタイムス社

 三菱レイヨン㈱と豊田通商㈱は4月12日、中国の大手水処理エンジニエリング会社である江西金達莱環保研発中心有限公司(江西JDL社)の100%子会社、奉新金達莱環保有限公司(奉新JDL社)へ共同出資し、中国で水処理O&M(運転・管理)事業に参画することで合意したと発表した。

 同プロジェクトは、環境負荷の高い染色排水を総合的に処理し再利用するもの。両社ともに初めての水処理O&M事業となる。同プロジェクトを起点に、両社の中国におけるネットワークを活用し水処理O&M事業を中国全土に展開、環境対策に大きく貢献していく考えだ。

 三菱レイヨンは、拡大を続ける中国の下排水処理市場において、中空糸膜(製品名「ステラポアー」)および中空糸膜を使用したMBR(Membrane Bio Reactor:膜分離活性汚泥法)システムを柱に事業を展開している。
 同社は、水処理事業の拡大において、現在のコア事業である膜販売ビジネスに加え、最も成長が期待されるO&M事業への進出を検討してきた。その第一歩として、膜販売で長年良好な取引関係にあり、中国で豊富なMBR施工実績を持つ江西JDL社が2010年設立したO&M会社・奉新JDL社の持分を、51%取得することで合意した。
 奉新JDL社は、奉新県政府との間で、染色工業園区の排水処理に関する営業権契約を交わしており、同社に資本参加することで、同工業園区の排水処理・再利用のO&M事業を開始する。
 計画処理水量は、日量5万トン。

 三菱レイヨングループは、中期経営計画「New Design APTSIS 15」の最終年度において、アクア事業の売上高を700億円へ拡大する目標を掲げ、O&M事業を中核の一つとする。今後は、再利用を含めた工業系排水処理事業と関連企業の拠点網を利用し、同事業を推進していく構想だ。

 豊田通商は、重点実施事業の一つとして水事業の開拓を進めている。2010年に水事業推進室を立ち上げ、産業分野へ特化した排水処理事業や汚泥処理事業に取り組んできた。中国国内における水事業第一号案件として、三菱レイヨンと下排水処理事業の同事業に参入。今後は、上下水道事業への参入を図ると共に、再生水事業を中心に事業を推進していくとしている。

 営業運転開始は、2013年4月予定。

【奉新JDL社の会社概要】

▽会社名 : 奉新金達莱環保有限公司
(Fengxin JDL Environment Protection LTD)
▽代表取締役 : 廖志民(リャオ ジー ミン)
▽所在地 :中国 江西省 宜春市 奉新県 奉新工業園区
▽事業目的:給水・汚水処理施設の建設・運営及びサービス、水資源の再生利用、水処理設備の販売、水処理技術コンサルティングサービス
▽設立 :2010年12月8日
▽資本金:28百万RMB(約350百万円)
※2012年4月現在

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