宇部興産決算 4~9月期 経常・純利益が3桁増

2017年11月02日

ゴムタイムス社

 宇部興産の2018年3月期第2四半期連結決算は、売上高が3271億5900万円で前年同期比16・4%増、営業利益は226億1700万円で同96・4%増、経常利益は237億2700万円で同129・9%増、四半期純利益は157億8100万円で同122・1%増と大幅な増収増益となった。

 石炭市況の上昇やIPP発電所の定期修理などの影響はあったが、合成ゴムやナイロンなど化学品の市況が是正されたこと、工業薬品の隔年実施の定期修理がなく生産・出荷が増加したこと、堅調な国内需要を背景にセメント・生コンなどの販売数量が増加したことなどにより、販売は堅調に推移した。

 セグメント別では、化学の売上高は1463億2300万円で同24・0%増、セグメント利益は133億1300万円(前年同期は4億5400万円)だった。

 ラクタム事業は、中国市場が引き続き供給能力過剰ながらも価格が是正されたことから増収。ナイロン事業も、原料ラクタム価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことから増収。工業薬品事業も隔年実施の定期修理がなかったため、生産・出荷が増加し増収となった。

 合成ゴム事業は、原料ブタジエン価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことに加え、国内のタイヤ用途を中心に出荷は概ね堅調だったことから増収となった。

 電池材料・ファイン事業のうち、電池材料事業は市場拡大に伴い競争が激化する中で、車載向けを中心とした堅調な需要を背景に販売数量が増加したことから増収。ファイン事業も総じて販売数量が増加したことから増収となった。

 ポリイミド・機能品事業のうち、ポリイミド事業は回路基板向けを中心にフィルムの販売数量が増加したことから増収となっている。

 医薬は売上高が51億4400万円で同13・5%増、セグメント利益は16億5400万円で同46・4%増だった。

 自社医薬品・受託医薬品ともに販売数量が増加したことから増収となった。  建設資材は売上高が1159億9400万円で同5・7%増、セグメント利益は58億6900万円で同20・7%減だった。

 セメント・生コン事業は国内需要の増加により販売数量が増加したことから増収となったが、石炭価格上昇の影響を受けた。

 カルシア・マグネシア・建材事業は、総じて販売数量が増加したことから増収となった。

 機械は売上高が357億6500万円で同34・1%増、セグメント利益は13億1200万円で同72・9%増だった。

 成形機・産機事業は製品の販売が堅調で、新規連結子会社が加わったことから増収となった。

 製鋼事業は堅調な国内需要を背景に、ビレットの販売数量が増加したことから増収となっている。

 エネルギー・環境は売上高が330億2600万円で同23・8%増、セグメント利益は6億2100万円で同63・8%減だった。

 石炭事業は販売数量とコールセンター(石炭中継基地)での取扱数量が増加し、石炭市況の影響により販売価格が上昇したことから増収となった。

 電力事業は、発電量は前年同期並みだったが、石炭市況の影響により販売価格が上昇したことから増収となった。なお、IPP発電所は定期修理を実施した。  その他は売上高が22億5200万円で同68・1%減、営業利益は2億9000万円で同14・2%増だった。

 通期の連結業績予想については、原料価格低下などにより売上高を当初予想に比べ下方修正したが、ナイロン原料カプロラクタムのスプレッド改善、合成ゴムの原料価格高騰の売り値への転嫁などにより、各利益項目を上方修正した。

 売上高は6850億円で前期比11・1%増(当初予想比150億円減)、営業利益は450億円で同28・7%増(同50億円増)、経常利益は450億円で同34・9%増(同70億円増)、当期純利益は290億円で同19・9%増(同45億円増)を見込んでいる。

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