独ランクセス 「デュレタン」に新たに2製品を投入

2017年06月26日

ゴムタイムス社

 独ランクセスは6月26日、ガラス繊維で高度に強化された2つの新たな製品グレードを投入し、難燃性ポリアミド6コンパウンド「デュレタン」ブランドのポートフォリオを拡大したと発表した。

 新製品は、卓越した難燃性に加え、高い強度と剛性、優れた強靱性を備えており、難燃性要件を満たす必要がある工業機械の構造部品や、端子台(MCCB)など、高い機械的負荷にさらされる部品に最適とされる。
 
 ハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットの用途開発の専門家であるアレクサンダー・ラデック氏は「新製品は、アルミダイカストおよび熱硬化性樹脂のような高い剛性を必要としない場合、これらの代替となる。顧客は射出成形がもたらす高いデザインの自由度とコスト効率の利点を得ることができる」と述べている。

 「デュレタン BKV45FN04」は、45重量%のガラス短繊維で強化されている。この製品の難燃性パッケージにはハロゲンおよび赤リンを含まないことから、高弾性率素材でありながら希望の色に着色できる。米国安全検査規格のUL94テストにおいて、同製品の高い難燃性が証明されている。この素材は、わずか0・4mmの厚さの試験片でV―0の最高クラスの難燃性テストに合格した。このコンパウンドは厚さ1・0mmの試験片で、さらに厳しいUL94―5Vテストにおいて最高等級である5VAを達成し、ULイエローカードにはそれが記載されている。

 2つ目の新しいポリアミド6は、50%以上のガラス繊維で強化されており、近日中に販売予定。

 同製品は、ハロゲン系難燃性パッケージを備えており、UL94テスト(ULイエローカード)において、V―0(厚さ0・75mm)および5VA等級を達成している。さらに、IEC60695―2―12/13に準拠するグローワイヤテストにおいて、高い難燃性が証明されている。
 
 例えば、同製品は775℃でグローワイヤ着火試験(GWIT)の要求値を苦もなく達成している。これらのテスト結果から、この素材は電化製品(IEC60335―1:家庭用電気機器の国際規格)など高い機械的ストレスにさらされる部品に適していることが明らかとなっている。さらに、筐体部品やサーキットブレーカーカバーの使用においても、大きな役割を果たすことが期待される。

 2つの新しいエンジニアリング素材は高いガラス繊維含有率を有し、卓越した剛性と強度を備えている。例えば、「デュレタンBKV45FN04」の引張弾性率は1万6000MPa(乾燥時)だ。

 ガラス繊維で強化されているが、EasyFlow(高流動)技術のため、溶解時は優れた流動性を示す。従って、部品は薄肉、複雑形状、そして比較的長い流動距離を持たせたデザインにすることができるとしている。

 

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