ブリヂストン ファイアストン買収25年で会見開く

2013年04月01日

ゴムタイムス社

 1988年、ブリヂストンが米国ファイアストン社を買収して25年が経過、タイヤの世界シェアトップを果たし、買収は成功した。3月27日、津谷正明ブリヂストンCEO、西海和久COO、ブリヂストンアメリカス・インクのG・ガーフィールドCEO、E・ミナルディCOO、C・カーボウィアックCAO(最高管理責任者)の5氏が出席し、グローバル研修センター(港区)で記者会見が開かれた。両社の企業理念が社会性に合致、幾多の困難を乗り越えて発展してきた経緯が明かされた。ブリヂストンは第2の創業として、先駆性を発揮し「真のグローバル企業」を目指す。
 会見は津谷CEOが買収を行った1988年当時のタイヤ業界を取り巻く世界の事業環境について触れ、ブリヂストンの企業理念やファイアストン社の理念に言及、両社の創業者の経営理念を紹介し、共通認識のもと統合経営を実践して今日の発展を築いたと示唆した。
 買収交渉を担当した津谷CEOは「自動車業界のグローバル化でタイヤ業界の再編とグローバル化が進行していた時代だった。ブリヂストンはミシュラン、グッドイヤーの2強に大差の3位で、グローバル体制が絶対条件となり、選択肢と時間は限られていた」と振り返った。
 西海COOは「買収後は日米欧で改善活動がスタートしたが、生産面では苦労の連続だった。しかし、現場で企業文化や技術の融合を図り、総力戦で一歩一歩進めてきた。当時の関係者に感謝したい」と述懐。このあと来日した3氏がそれぞれ所管を述べた。
 現在、ブリヂストンは第2の創業に取り組み、グループ・グローバル最適を基本方針に中期経営計画やSBU組織体制の確立で「更に上」を追及、真のグローバル企業を目指す。
 ブランド戦略については「日本市場では、今まで以上にマーケット戦略としてファイアストン、デイトンブランドをクリアにしていきたい」と語った。西海COOは買収の成功について「危機感を共有し、痛みの伴う改革をオープンにしてきたことが大きい。何より、創業者の理念がブレなかったことが最大の秘訣」とコメントした。

記者会見の出席者

記者会見の出席者

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