タイヤ産業プロジェクト会議 CEOが持続可能性で成果確認

2019年12月05日

ゴムタイムス社

 タイヤ産業プロジェクトは11月22日、京都でCEO会議が開催されたと発表した。会議では持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォームの設立など持続可能性に関する活動の進捗・成果について確認が行われた。
 タイヤ産業プロジェクトは、タイヤがそのライフサイクルを通じて、人間の健康と環境に与える潜在的な影響を研究することを目的に、2005年に世界を代表する主要なタイヤメーカーのCEOが主導して設立されたもの。同プロジェクトは、持続可能な開発のための世界経済人会議の傘下にあり、ブリヂストン、グッドイヤー、ミシュランが共同代表を務めている。
 世界のタイヤ生産能力のおよそ65%を占める主要タイヤメーカーのCEOが参画するCEO会議は、2年に1度開催され、CEOは同プロジェクトが推進する活動の進捗・成果を確認するとともに、その後2年間の活動計画を承認する。
 今回の会議では主な取組みとして、天然ゴムのバリューチェーンにおける社会的・経済的・環境的パフォーマンスの改善を主導するために設立された「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム」の設立やタイヤと道路の摩擦により発生する摩耗粉塵の潜在的な影響調査の報告がされた。さらに、廃タイヤ管理とタイヤ製造に関する環境パフォーマンスの向上において、グローバルな知見をまとめた最新の報告書や主要な環境パフォーマンス指標を掲載する報告書の発行が承認された他、タイヤ製品カテゴリールールの発行も行われた。摩耗粉塵の潜在的な影響調査では、ロサンゼルス、ロンドン、東京での大気中の微粒子を調査した結果、タイヤと道路の摩擦により発生する摩耗粉塵の潜在的な影響が大気に及ぼす影響は軽微であることが示された。

 また、今回のCEO会議では、2020年から2021年の活動計画も承認された。活動計画には、タイヤと道路の摩擦により発生する摩耗粉塵に関する大気、河川、土壌、河口等における拡大サンプリング調査、環境中での劣化、挙動に関するモデリング、生物への健康影響の詳細調査などが挙げられた。さらに、参画企業の生産活動における環境パフォーマンス指標の継続的報告やステークホルダーとの対話を通じた、効果的な廃タイヤ管理。その他には、タイヤ原材料の研究開発活動を通じたタイヤ原材料に用いられる化学物質の人体および環境への影響評価やタイヤのライフサイクルを通じたナノマテリアルの安全な開発と使用に関する経済協力開発機構のガイドラインへの貢献などが挙げられた。参加企業は、株式会社ブリヂストン、コンチネンタル エージー、クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー、ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー、ハンコック タイヤ シーオー エルティディ、クムホ タイヤ カンパニー インク、ミシュラングループ、ピレリ アンド シー エスピーエー、住友ゴム工業株式会社、TOYO TIRE 株式会社、・横浜ゴム株式会社の11社。

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