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JSR中間期決算  エラストマー事業は増収増益

2011年10月27日

ゴムタイムス社

   JSRの2012年3月期中間連結決算は売上高は1703億4100万円、前期比横ばい、営業利益194億6800万円、同3%減となった。  経常利益は円高による為替差損により204億3300万円、同4・9%減となった。上期為替レートは79円、半期1円の円高で3億円の減収減益。  堅調なタイヤ生産、原料価格上昇に対応した価格改定が寄与して増収増益となったエラストマー事業が、主力製品の需要低迷、円高で減収減益となった合成樹脂部門、多角化事業部門の落ち込みをカバーし、期初計画よりも上ブレした。  エラストマー事業の売上高は862億2300万円、前期比9・6%増、営業利益103億9100万円、同62%増。前期に比べ76億円の増収、40億円の増益となった。 汎用合成ゴムが自動車タイヤの生産が堅調に推移したことに加え、主要原材料の上昇に対応した価格改定により販売数量、売上高が増加。二トリルゴムやEPDMなどの特殊ゴムは、特にEPDMは震災の影響により5月後半まで生産停止を余儀なくされたことや国内自動生産の落ち込みの影響を大きく受け、生産再開後の供給体制の強化とともに価格改定に努めたものの販売数量、売上高は前期を下回った。輸出は震災の影響によるIRなど一部の製品で出荷調整を行ったことにより販売数量は減少したが、価格改定に努めた結果、売上高は前期を上回った。  TPEはRBが国内では震災の影響により自動車分野の生産が落ち込み、輸出も中国、中南米での履物用途の需要低迷で、国内、輸出ともに落ち込んだ。  エマルジョンは震災により製紙メーカーの生産が落ち込んだことにより、主力の紙加工用ラテックスの販売数量、売上高が落ち込んだ。  合成樹脂事業の売上高は238億6100万円、前期比8・6%減、営業利益5億7700万円、同61・4%減の減収減益。自動車の生産が震災の影響により期前半に大きく減少したことに加え、オフィス機器、産業資材用途も需要が低迷し、急激な円高で収益が悪化した。  多角化事業の売上高は602億5600万円、前期比8%減、営業利益84億9900万円、同30・1%減の減収減益。 半導体製造用材料は主力製品のフォトレジストがパソコン需要の低迷、急激な円高で売上高が落ち込んだ。FPD用材料も主力の液晶ディスプレイ用材料が液晶テレビ需要が欧米を中心に低迷したことにより、パネルメーカーの生産調整が継続され稼働率が大きく低下した影響を受けたことに加え、円高の影響で売上高は前期を下回った。  戦略事業・その他販売では耐熱透明樹脂「アートン」が市場が拡大しているスマートフォンや多機能携帯端末向けのフィルム用途で売上高は前期を上回った。  通期の業績予想については80円/ドル、ナフサ価格は5万2000円/klと想定し、エラストマー事業では自動車メーカーの下期増産計画に加え、堅調なタイヤ生産、冬用タイヤの増産が見込まれるほか、多角化事業では円高の長期化が懸念されるものの、最先端リゾグラフィ材料の新製品投入、液晶ディスプレイでは新規配向膜などのシェアアップで、本年4月の開示予想と変更なく、売上高3700億円、前期比8・6%増、営業利益410億円、同4・9%増、経常利益430億円、同0・9%増、当期純利益280億円、同1・6%増の増収増益を予想している。タイ洪水被害の影響についてはエラストマー及び合成樹脂で5億円前後の影響が出るとしている。  また、震災の影響については、「自動車の生産を上期は前期比6割レベルと見込んでいたが、上期は実際には8割程度までに回復。当社鹿島工場は出荷を抑制せざるを得なかったものの、想定よりも早く復旧したことで影響を最小限にくいとどめることができた」(平野勇人執行役員財務部長)としている。

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