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東ソーの16年3月期 営業・経常益が過去最高

2016年05月10日

ゴムタイムス社


 東ソーは5月10日、東京・茅場町の鉄鋼会館において2016年3月期連結決算説明会を開催した。売上高は7537億3600万円で前期比6・9%減、営業利益は694億4400万円で同35・1%増、経常利益は658億1400万円で同9・3%増となった。

 売上高については塩化ビニルモノマー(VCM)の生産能力増強を背景とした塩化ビニル樹脂の販売数量増等があったものの、原油・ナフサ価格等の下落に伴う国内外の石油化学製品の価格下落により、減収となった。一方、利益面では、販売数量の増加や原燃料安等を背景とした交易条件の改善等により増益となった。

 説明に立った河本浩爾取締役経営管理室長は「円安と原燃料安、ボトルネックだったVCMの能増効果が寄与し、営業利益と経常利益で過去最高を記録した」と述べた。 なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年の日本ポリウレタン工業との合併に伴い、繰延税金資産を計上したため、396億7500万円で同36・3%減益となった。

 セグメント別の石油化学事業では、オレフィン製品について、キュメンの誘導品需要増を受け出荷が増加したものの、原料価格等の下落を反映して国内価格は下落し、キュメンの海外市況は軟化した。ポリエチレン樹脂は、円安及び原料価格の下落に伴う交易条件の改善により輸出が増加したが、ナフサ価格の下落を反映して国内製品価格は下落した。クロロプレンゴム(スカイプレン)およびクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)は、円安に伴い輸出価格が改善した。この結果、売上高は1754億3600万円で同21・6%減となったが、営業利益は販売数量の増加等により116億800万円で同67・7%増となった。

 クロル・アルカリ事業では、苛性ソーダは電解製造設備の稼働率の上昇に伴い出荷は増加した。国内製品価格は緩やかに下落したものの、円安に伴い輸出価格は改善した。VCMおよび塩化ビニル樹脂は、一昨年秋に実施したVCMの生産能力増強が寄与し出荷は増加したが、ナフサ価格等の下落を反映して製品価格は下落した。ウレタン原料の販売はほぼ前年並みだったが、海外市況は軟化した。この結果、売上高は2798億4900万円で同4・9%減となったが、営業利益は販売数量の増加等により179億8700万円で同116・2%増となった。

 機能商品事業では、エチレンアミンは、競合他社の生産能力拡大による需給バランス悪化の影響を受け出荷は減少したが、円安に伴い輸出価格は改善した。計測関連商品は、液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が増加した。診断関連商品は、体外診断用医薬品の出荷が増加した。ハイシリカゼオライトは、一昨年秋に実施した生産能力増強が寄与し出荷は増加した。ジルコニアは、歯科材料用途の出荷が増加した。この結果、売上高は1745億3100万円で同0・2%減となったが、営業利益は交易条件の改善等により327億円で同9・1%増となった。

 エンジニアリング事業については、水処理事業において、国内では電子産業分野を中心に産業全般でのプラント建設やメンテナンス、改造工事の伸長等により売上高は増加した。海外では、電子産業分野でのプラントの増加等により売上高は増加した。建設子会社の売上高は減少した。この結果、売上高は841億8400万円で同11・1%増となり、営業利益は45億7600万円で同37・4%増となった。

 その他事業では、物流子会社の売上高は堅調に推移したが、商社の売上高は減少した。この結果、売上高は397億3400万円で同3・1%減となり、営業利益は25億7000万円で同9・6%減となった。

 次期の見通しについては売上高7200億円、営業利益720億円、経常利益は720億円、当期純利益は470億円を見込んでいる。また、設備投資は、引き続き南陽事業所の発電用ボイラーのリプレース事業などを中心に、合計360億円を予定している。

 河本室長はCR、CSMの需給見通しについて、「海外販売比率が高い製品であるため、このまま円高が続くとマイナスになる。需要面では建設機械にCSMが多く使われており、資源安による建機需要の鈍化が響くだろう」と説明した。

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