ブリヂストンは９月29日、水素ステーションなどで燃料電池自動車（ＦＣＶ）に水素を充填する際に使用される、高耐圧性の水素充填用ホースの販売を開始すると発表した。
現在、国内の水素ステーションにおける水素の充填時の最高圧力は、最大70ＭＰａと定められているが、充填圧力を高めることで水素の充填量を増やすことができ、航続距離延長や充填時間の短縮が期待できるため、この最高圧力が82ＭＰａまで上げられることが見込まれている。同社は水素社会の実現に向けた更なる利便性の向上に貢献するために、82ＭＰａの耐圧性能を有するホースの開発に取り組み、このほど製品化が実現した。
６層で高耐圧性実現
新製品発表に出席した同社の小坂信弘ホース開発部部長は「ガソリン給油とは比較にならない耐圧仕様を実現するため、当社の超高圧ホースの技術をベースに開発。内外層に耐水素ガス透過性に優れる特殊樹脂、心線に高抗張力鋼線ワイヤーを採用した６層構造とすることで、破壊圧力４１０ＭＰａ以上、水素脆化影響がなく、水素ガス透過量50ｍｌ以下、ホースの柔軟性を確保した」と開発経緯を説明。
充填時間の短縮、充填量が増加されることで、安全を基盤に水素ステーション、ＦＣＶの経済性向上に大きく貢献することを強調した。
水素ステーションでの充填用ホースの需要予測については、
当日の新製品発表会に出席した水素ステーションの導入を積極的に進めているＪＸ日興日石エネルギー㈱では、２０１５年度中に全国40ヵ所の設置を計画、現在、11ヵ所での設置を完了しており、同社のの水素ステーション第１号店の「ドクター・ドライブ セルフ海老名中央店」にブリヂストンの充填用ホースが採用されていることを明らかにした。また、水素ステーション向けの充填用ホースでは、横浜ゴムが先に高圧水素ガス用ホース「ｉｂａｒ ＨＧ７０」の本格的な販売を開始しているが、 国際基準と同等の87・５MPaでの水素充填に対応する高圧水素ガス用ホースの開発も進めており、同分野における技術開発競争が激化している。
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