東洋ゴムの3月期決算 新興国市場の需要が拡大

2011年05月25日

ゴムタイムス社

東洋ゴム工業の2011年3月期連結決算は新興国市場の需要拡大に支えられ、売上高は前期比2・2%増の2940億9200万円、営業利益は同40・6%増の121億8200万円、経常利益は同2・4%増の91億9300万円となった。当期純利益は東日本大震災の影響額48億円を特別損失に計上したことで同82・4%減の5億2100万円となった。 経常利益段階では、増益要因としては販売要因で106億円、工場操業度の向上50億円、生産拠点における工場コスト合理化で11億円、金融収支の改善2億円の合計169億円、減益要因としては原材料価格の上昇で100億円、為替の影響で46億円、営業外損益の悪化20億円、販売費・管理費の増加1億円の合計167億円となり、差し引き前期比で2億1000万円の増益となった。 タイヤ事業の売上高は前期比1・1%増の2165億7800万円、営業利益は同27・8%増の88億6300万円となった。国内新車用タイヤはエコカー補助金終了後の反動や震災による新車メーカーの操業停止により、販売量は前期を下回ったが、高付加価値商品の販売拡大により売上高は前期を大幅に上回った。市販用タイヤは国内景気回復に伴う需要増や降雪による冬用タイヤの需要増、値上げ前の駆け込み需要などで販売量は前年を上回ったが、乗用車用タイヤの売れ筋が汎用品にシフトしたこともあり売上高は前期並みとなった。海外の市販用タイヤは北米市場では中国製タイヤへの特別セーフガードの影響もあり販売量は前年並みとなったが、大口径、高付加価値商品の販売の拡大により売上高は前期を上回った。東南アジア、中南米市場など新興国市場でも売上高は前期を上回った。 ダイバーテック事業の売上高は前期比5・4%増の773億1400万円、営業利益は同88・3%増の31億9700万円となった。主力の自動車用防振ゴムは国内ではエコカー補助金制度終了の反動や震災の影響で下期に苦戦したが、年間を通して国内新車メーカーの好調な輸出に支えられ、売上高は前期を上回った。また、防水資材や産業資材分野は積極的な販促活動の効果もあり順調に推移し、ダイバーテック事業全体では売上高は前期を上回った。 2012年3月期業績予想は原材料価格・仕入れコストの上昇(233億円)、為替の影響(31億円)が収益圧迫要因とし、売上高前期比9・5%増の3020億円、営業利益経常利益ともに減益となるが、当期純利益は約3・8倍の20億円を見込んでいる。

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