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年頭所感 クラレ 伊藤正明代表取締役社長

2019年01月09日

ゴムタイムス社


 まず、昨年を振り返りますと、クラレグループは新しい中期経営計画「PROUD2020」をスタートさせました。当社が100周年を迎える2026年のありたい姿「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に発展するスペシャリティ化学企業」の実現に向けた第一歩となる中期経営計画の初年度は、売上高では過去最高更新を見込んでいますが、営業利益など利益面では買収したカルゴン・カーボン社の、のれん償却にステップアップ部分の償却が加わる事や、アメリカのエバールプラントの操業停止期間が長引いた影響を受けることになりそうです。一方、施策面では中期経営計画で掲げた課題の解決・克服に向けて着実に実行できたと考えています。

 次に、「PROUD2020」の2年目となる2019年度の経営環境は、米国トランプ政権の保護貿易政策、特に中国との貿易戦争の激化と長期化のリスク、そしてサウジアラビアやイランを巡る地政学リスクの高まりや、原油価格の不安定化などに加えて、FRB(連邦準備制度理事会)による利上げと、それをきっかけとする新興国の通貨下落と資金流出の懸念など、さまざまな不安材料が世界に散在しています。これらを踏まえて「荒れ模様」と先行きを不安視する経済予測も出ていることから、突発的な事象の出現にも対応できるよう、慎重な運営を心掛ける必要はありますが、当面は穏やかな経済状況が続くと見ています。

 そして、本年は、昨年買収したカルゴン・カーボン社との統合作業の第一段階を終えて、シナジー効果を具体的な成果として生み出していかねばなりません。世界ナンバーワンの活性炭メーカーであるクラレグループが、さらに高いレベルを目指すための積極的な提案と活動を期待します。また、タイのイソプレン関連事業の拡大を目指すプロジェクトが、いよいよ動き始めます。2021年末頃のプラント完成に向けて、いろいろと解決せねばならない問題も出てくるとは思いますが、イソプレンカンパニーの皆さんと関連する部署の皆さんが力を合わせてこれを乗り越え、素晴らしいプラントが出来上がるように努力していただきたいと思います。この他にも、光学用ポバールフィルムの新ライン稼働や、水溶性ポバールフィルムの新工場完成と稼働、そして岡山事業所を将来も主力生産拠点として維持していくためのパワープラントの第一期更新工事が具体的に動き始めます。これらに加えて、本年は中期計画に沿った次なる投資提案やプロジェクトがドンドン出てくるものと期待しており、非常に楽しみな1年です。2020年度の中期経営計画達成に向けて、しっかり地に足をつけて着実な実行をお願いします。

 ここで、私がいつも申し上げていることを繰り返します。一つ目は安全についてです。「安心して働ける会社、事故や災害が起こらない会社」を目指して、全員が「安全はすべての礎」ということを念頭において、自らの責任として無事故・無災害を目指して仕事に取り組んでいただきたいと考えます。

 二つ目はクラレグループで働く社員が、「そこで働くことに誇りを持てる会社」を目指すということについてです。クラレが真にグローバルで良い企業グループとして世界から認知してもらうためには、コンプライアンス体制を一層強化していくことが欠かせません。コンプライアンスの徹底を図る活動に終わりはなく、いろいろと見方を変え、角度を変えた活動を付け加えながらレベルを高めていくことが大切です。また、女性活躍も含めた働き方改革は、様々な個性を持った人達が安心して働ける職場、働きやすく、働き甲斐のある職場をつくっていくことを目指しています。このような活動を通じて、ダイバーシティに富んだ社員の皆さんが誇りを持って働ける会社とするべく取り組んでいきましょう。

 三つ目に長期ビジョンのありたい姿でもある「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に発展していく会社」について、もう一度触れておきます。独自の技術をベースにして、クラレの内外にある新しい技術・力を活用して、既存事業はさらに強く大きくするとともに、今後の成長を期待する事業は新用途の開拓や新技術・新製品による早期の拡大と収益向上を図り、今後も成長を続けていく会社となるよう頑張りましょう!

 

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