宇部興産の4~9月期 増収も営業益33%減

2018年11月01日

ゴムタイムス社

 宇部興産の2019年3月期第2四半期連結決算は、売上高が3482億6800万円で前年同期比6・5%増、営業利益は150億4200万円で同33・5%減、経常利益は186億9600万円で同21・2%減、四半期純利益は123億5200万円で同21・7%減と増収増益となった。

 売上高は、原料価格高騰に応じた化学製品を中心とした販売価格の上昇および堅調な国内需要を背景とした機械製品等の出荷増により増加したが、営業利益は、石炭市況の上昇やアンモニア工場の定期修理および生産トラブル、さらに合成ゴム市況の軟化等の影響を受けた。営業外収益は、持分法適用関連会社の事業統合の影響等により増加した。

 セグメント別では、化学の売上高は1516億円で同3・6%増、セグメント利益は82億円で38%減となった。化学の営業利益は金額ベースで約50億円の減益となった。数量増で13億円の増益要因があったものの、価格差により68億円の減益要因が響いた。

 ラクタム事業は、中国市場を中心に販売価格が是正されたことにより、増収。ナイロン事業は、スペインで生産能力増強を行い販売数量が増加したことにより、増収となった。工業薬品事業は、アンモニア工場の隔年実施の定期修理およびその後の生産トラブルの影響で生産・出荷が減少したことにより、減収。ナイロン・ラクタム・工業薬品事業全体としては、アンモニア工場の定期修理等の影響により、増収減益となった。

 合成ゴム事業は、タイヤ用途を中心に出荷は概ね堅調だったが、原料価格上昇の中で製品価格が下落したこと等により減収減益となった。

 電池材料・ファイン事業のうち、電池材料事業は、車載向けを中心とした堅調な需要を背景にセパレータの生産能力増強を行った結果、販売数量が増加したことにより、増収。ファイン事業は、総じて販売価格が上昇したことにより、増収となった。電池材料・ファイン事業全体としては、セパレータ拡販の効果が大きく、増収増益となった。

 ポリイミド・機能品事業のうち、ポリイミド事業は回路基板向けを中心にフィルムの販売数量が堅調に推移したことおよび有機ELパネル向けワニス販売数量が増加したことにより、増収。ポリイミド・機能品事業全体としては、連結子会社の減益の影響により、増収減益となった。

 通期の連結業績予想については、売上高は7400億円で前期比6・4%増、営業利益は440億円で同12・4%減、経常利益は455億円で同10・3%減、当期純利益は305億円で同3・7%減を見込んでいる。

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