原料メーカー11社の18年3月期第3四半期 価格修正、需要増で増収

2018年03月09日

ゴムタイムス社

 低燃費タイヤ、自動車用ゴム部品、建設資材関連の需要拡大、原料価格高騰に伴う製品価格改定が寄与し、合成ゴム・化学メーカーの2018年3月期第3四半期のエラストマー事業はおおむね増収増益となった。

 ◆JSR
 エラストマー事業については、販売数量は増加基調で推移したものの、累計では前年同期をやや下回った。一方で売上収益は、前年度末における原料価格上昇を反映した製品価格の上昇により、前年同期を上回った。営業利益は、原料価格上昇によるコストの増加はあったものの、販売価格の上昇により採算が改善して、前年同期を上回った。

 ◆日本ゼオン
 合成ゴム関連では、国内の汎用合成ゴムは前年並みの出荷量だったが、国内の特殊合成ゴム、海外の汎用合成ゴム、特殊合成ゴムの販売はいずれも堅調に推移し、販売数量、売上高、営業利益ともに前年同期を上回った。

 ◆三井化学
 自動車部品及び樹脂改質材用途を中心とするエラストマーは、円安の影響を受けるとともに、堅調な需要に的確に対応した。機能性コンパウンド製品は、主にアジア、欧米での堅調な需要に的確に対応した。

 ◆住友化学
 石油化学事業では、石油化学品や合成樹脂は原料価格の上昇により、市況が上昇した。また、合繊原料やメタアクリルも市況が上昇した。

 ◆旭化成
 高機能ポリマー事業では合成ゴムにおいて交易条件が改善したことや、エンジニアリング樹脂の販売が順調に推移したことなどから、前年同期比増収、増益となった。

 ◆宇部興産
 合成ゴム事業は、原料ブタジエン価格の上昇に伴い販売価格が上昇し、また国内のタイヤ用途を中心に出荷は概ね堅調であったことから、増収となった。

 ◆デンカ
 クロロプレンゴムは販売数量増や採算是正を目的とした価格改定により増収となった。スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等の販売も堅調に推移した。

 ◆東ソー
 クロロプレンゴムは、好調な海外需要にけん引され出荷が増加し、輸出価格も上昇した。

 ◆クラレ
 イソプレン関連では、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」、液状ゴムともに数量が伸長し、順調に推移した。

 ◆信越化学工業
 シリコーンは、国内では、化粧品向けや車載向け、電子機器向けの出荷が堅調に推移した。海外でも、欧米やアジア向けをはじめとする機能製品や、中国や東南アジア向けの汎用品が総じて好調だった。

 ◆ダイキン工業
 フッ素樹脂は、米国市場でのLAN電線用途需要が減少したものの、国内・中国・アジアを中心に半導体関連需要が堅調に推移し、フッ素樹脂全体での売上高は前年同期を上回った。また、フッ素ゴムについても、世界各地域で自動車関連分野での需要が堅調に推移し、売上高は前年同期を大きく上回った。

2018年3月期第3四半期 原料メーカーの業績

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