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2017年下半期海外進出企業一覧 既存の拡充含め7社が拠点

2018年01月17日

ゴムタイムス社


 昨年下半期のゴム関連企業の海外進出社数は7社7拠点となった。一時期の海外進出ラッシュが一段落して前年下半期は5社8拠点に減少したが、今期も同程度に留まった。新たな進出もあったものの、既存拠点の拡充も目立った。海外拠点整備がほぼ整ったタイヤメーカーは、前年下半期に続いて1社もなかった。
 ◆ニッタ
 ニッタは7月27日、米国の連結子会社ニッタ・コーポレーション・オブ・アメリカ(NCA)が前年3月から敷地内で建設を進めていた第2工場が完成し、11日に竣工式を行ったと発表した。

 第2工場の主な生産品目はポリベルト、ポリスプリント、CFTG、NLG。工場述床面積は約4500㎡。

 竣工式にはキム・ミルサップスNCA代表取締役社長を始め、ニッタから新田元庸代表取締役社長を含む役員3人、NCA従業員を含む約100人が参加。在アトランタ日本国総領事館の篠塚総領事、フォーサイス郡のトッド・レヴェント議長から祝辞を受け、開運を祈願し鏡割りを行った。

 その後、工場内設備の見学会や、NCA役員やマネージャーの紹介などを行い、関係者と一層の関係強化を図った。

 現在、同社グループは中長期経営計画「V2020」の達成に向け、新製品・新事業の創出、グローバル化の推進、トータルコスト競争力の向上に取り組んでいる。

 その中で、NCAが事業を展開する北南米市場で、成長する物流業界などの需要増加に対し、生産・加工両面での供給体制の強化を図るため、第2工場の建設・設備導入を進めてきた。NCAは今後さらに供給・販売体制を強化し、市場の旺盛な需要に応えていく。

 ◆藤倉ゴム
 藤倉ゴム工業は8月10日、同日開催の取締役会で、連結子会社の安吉藤倉橡膠有限公司(AF、中国・浙江省)の工場用地取得について決議したと発表した。

 AFは昨年12月に第二工場を竣工し稼働させているが、中国市場のさらなる発展に伴い、今後も産業用資材の増産が見込まれることから、新たに工場用地を50年の借地契約として取得することについて決議した。

 場所はAF敷地の隣で、敷地面積が5万3100㎡。予定総投資額は825万元(約1億3200万)。産業用資材(自動車用部品、水道・ガス等の住宅用機器部品)の製造を行う工場を建設する予定で、時期などについては決定次第発表する。

 ◆ダイキン
 ダイキン工業は8月23日、フッ素化学製品の販売や技術サポート、マーケティング機能を持つ「ダイキン・ケミカル・サウスイーストアジア社」(本社:バンコク)を設立し、18年1月から営業を開始すると発表した。

 空調機向けの冷媒ガスの安定供給、自動車向けのフッ素樹脂・ゴム製品の販売強化に加え、分野別のマーケティングや用途開発による需要の掘り起こしにより、市場が拡大する東南アジアでフッ素化学事業の拡大を図る。

 東南アジアでは、経済発展によりベトナムやインドネシアなどで空調機の普及が急拡大し、エアコンに使う冷媒ガスの需要が伸びている。

 世界各地域から自動車や電機メーカーの工場が数多く進出し、現地での調達、開発機能も拡大しており、完成品に組み込まれる部品や素材の高機能化に伴い、フッ素樹脂やゴムなどフッ素化学製品の需要が高まっている。

 このため、東南アジアのフッ素化学市場は年間6~7%の成長を続け、今後も拡大する見通しだ。

 同社では新会社の設立により、東南アジアで需要が拡大する空調機向けの冷媒ガスの供給体制を充実させると同時に、各国のアフターサービス網にも供給を拡大し、東南アジアでの空調機の普及拡大につなげる。

 また、自動車など各分野向けにフッ素樹脂・ゴム製品等の拡販をはかるとともに、エンドユーザーへの提案・技術支援や加工メーカーとの連携を強化し、顧客のニーズを捉えた用途開発を加速する。

 さらに、石油化学・電子分野はじめ各産業分野のマーケティング強化により、高機能塗料や表面機能材などの潜在需要の掘り起こしを行う。

 こうした取り組みにより、東南アジアでの化学事業だけでなく、空調事業のアフターサービス分野の強化にもつなげ、アジアにおけるグループ全体の事業拡大を図っていく方針だ。

 ◆旭化成
 旭化成は8月23日、子会社の旭化成(中国)投資有限公司(本社:上海市、椋野貴司総経理)が、樹脂コンパウンド製造工場を中国江蘇省常熟市で建設することを決定したと発表した。

 社名は旭化成塑料(常熟)有限公司、代表者は利光伊知朗氏。出資は旭化成(中国)投資有限公司が100%。生産能力は2万8000t/年。生産品目はポリアミド、ポリプロピレンを中心とした機能樹脂コンパウンド品。2020年初頭の稼働を予定している。。

 中国での自動車生産台数は昨年、過去最高を更新するなど、今後も大幅な増加が見込まれている。また、環境意識の高まりを背景に環境規制の強化や、軽量化を目的とした自動車部品の金属から樹脂への代替需要もさらに高まると期待されている。

 同社グループの中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」では、マテリアル領域のエンジニアリング樹脂事業を重点戦略事業と位置づけ、グローバルに展開するとともに、自動車用途向けなどでの拡大を目指している。

 中でも、樹脂コンパウンド事業は、日本・中国・タイ・シンガポール・米国・メキシコ・ドイツに製造拠点や販売拠点がり、グローバルネットワークを強化している。

 今回、中国市場での需要拡大と顧客のニーズに応えた安定供給体制の拡充を図るため、新たにコンパウンド製造工場を建設することを決定した。

 なお、中国国内のコンパウンド生産拠点の最適化については、外注委託先の活用方法も含め、今後検討を進めていく方針だ。

 ◆豊田合成
 豊田合成は8月30日、安全規制強化による世界各地域でのエアバッグの需要拡大などに対応するため、ベトナムに新工場を設立すると発表した。

 生産子会社「豊田合成ハイフォン有限会社」(TGHP)の分工場として設立し、エアバッグ部品などを19年7月から生産して、日本や北米、欧州などのエアバッグ最終組付拠点へ輸出する。新工場の設立に伴う投資額は2460万米ドル(約26億円)で、18年3月から工場建設を開始する。

 同社は、エアバッグを中心とするセーフティシステム製品を重点事業と位置づけ、グローバルで生産体制の強化などを行っている。ベトナムにおける同事業の生産能力は、昨年度はエアバッグ部品が年産1450万個、ハンドルが年産220万本であ、2023年度にはエアバッグ部品を2300万個、ハンドルを320万本に増やす計画だ。

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは9月6日、ゼオンアジアがシンガポールに、アジア技術サポートラボラトリー(ATSL)を開設したと発表した。成長著しいASEAN・インド域の特殊ゴム市場をカバーする技術サービスの拠点となる。

 パワートレインの電動化が進む先進諸国と比べて、ASEAN・インド域は引き続き内燃機関が主流であり続けるとともに、自動車生産台数は大きく増加していくと予想される。

 同社の特殊ゴムはタイミングベルトや耐油ホース、オイルシール、ガスケットなど内燃機関に搭載される多くの部品に使用されるため、急成長するASEAN・インド市場に対応した事業戦略の強化が求められている。

 今回シンガポール・サイエンスパーク内に開設したATSLは、日本・欧州・中国に続く第4の技術サポート拠点となる。依頼試験への対応や需要家への配合提案に留まらず、現地に密着して顧客価値を高める様々なソリューションを提供する。

 同社では、先進市場とは異なる地域の特性に対応し、潜在需要にかなった技術支援や指導を行うことによって同社グループの存在感を高めるとともに、拡大需要を取り込みながら域内のゴム加工産業の質の向上と発展に貢献していく方針だ。

 ◆バンドー化学
 バンドー化学は11月10日、アジア市場で事業の促進と業務のさらなる効率化を図るため、タイのバンコクに新会社「バンドー・アジア&パシフィック」を設立し、事業を開始すると発表した。

 新会社は、設立当初はアセアンとインドのグループ会社に対する業務支援と原材料調達の役割を担い、その後、段階的にマーケティングと販売促進、製品開発、域内の物流機能の統括へと業務を拡充させ、アジア大洋州市場で事業戦略の推進を図っていく予定だ。

 新会社は代表者が万場一幸社長、事業開始は18年1月。バンドーグループの100%出資で、資本金は1100万タイバーツ(約3800万円)になる。

 同社グループにとってアジア市場は、中長期経営計画「Breakthroughs for the future」を推進するための最重要地域である。新会社の設立により、グループ全体最適視点での事業の促進と業務の効率化を図り、「グローバル事業戦略の進化」をさらに加速させていく方針だ。