ダイキン 京大と連携協定を締結

2013年06月21日

ゴムタイムス社

 ダイキン工業は21日、国立大学法人京都大学と同日付で組織対応型包括連携協定を締結すると発表した。
 この協定により設置される「DKイノベーションプログラム」は、同社が従来から技術開発やその事業化に取り組んできた「空間(空気、環境)とエネルギー」分野における、10年後、20年後の世界の姿を見据えた、新しい社会的価値テーマ創出、およびこれを受けた共同研究等の創成を目標とするもので、社会や経済に寄与するイノベーション創出につながることを目指している。同協定の期間は3年。
 同プログラムにおいて、京都大学側は、産官学連携本部を窓口とし、学際融合教育研究推進センター、学術研究支援室(URA組織)などによる実施体制を設ける。従来の共同研究では一般的に理・工・農・医学等の研究者だけが対象だったが、今回は文系研究者にも積極的に参加を求め、オール京大の研究資源を結集して新たな研究ユニットを設立する。また、可能な範囲で学生の参画も検討している。
 同プログラムのダイキン工業側の実施体制は、テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室が窓口となり、研究開発部門、製造部門、営業部門、人事部門、企画部門等が適時参画。
 テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)はこのほど基本設計
が完了し、11月に本体着工、2015年11月から業務を開始する予定。国内3拠点(堺・滋賀・淀川製作所)の研究・開発技術者約700名、将来的には1500名規模を集約することで、情報の共有化とコミュニケーションを促進し同社が強みとするコア技術(ヒートポンプ・インバータ・フッ素化学等)の開発の大幅な効率化とスピードアップを図っていく。同センターでは社内外の異分野に携わる技術者同士の交流を促す仕掛けを随所に取り入れ、新しい技術・知識の融合から生まれる「オープンイノベーション」を推進。すでに大阪大学・奈良先端科学技術大学院大学と連携を進めており、今回の京都大学との包括連携協定を締結することで、イノベーション創出を加速していく方針。
 同社は、今回のプログラムはオール京大とオールダイキンの連携であり、イノベーション創出につながる新しい産学連携のモデルケースとなることを期待しているとしている。
 〈テクノロジー・イノベーションセンターの概要〉
▽施設概要=総床面積:約5万8000㎡、延床面積約4万9000㎡、6階建て
▽所在地=大阪府摂津市(同社淀川製作所内)
▽開設目的=世界中の大学や企業との協創による持続的なイノベーション創造、新しい顧客価値の創造、飛躍的な革新技術創出、ソリューション事業展開
▽開所予定:2015年11月(本体工事着工:2013年11月)
▽投資額=約300億円(建屋150億円、設備80億円、関連工事70億円)
▽人員数=700人規模

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