13年がスタート 景気回復の1年に期待感

2013年01月14日

ゴムタイムス社

 2013年がスタートした。昨年は円高、エネルギー問題などの課題への対応の遅れや領土問題を契機にわが国と中国との関係悪化による影響など、多事多難な1年だった。明けて13年は、総選挙による自民党政権の復活が産業界から好感が得られ、株価上昇、円高是正のムードが一気に高まっている。遅れいている震災復興への対応など課題は山積するが、新商品の台頭をきっかけに設備投資拡大、新政権による景気刺激策の効果などにより、景気回復の1年となることが期待される。
 昨年は、欧州の景気後退が波及する形で中国経済が減速、日中関係の悪化も加わって、日本の輸出が急速に悪化、足元の経済状況も停滞している。しかし、世界経済のカギを握る米国の景気は減速局面を脱しつつあり、大型減税の失効などに伴う「財政の崖」リスクが残っているものの、雇用情勢や住宅市場は回復の兆しが広がっている。欧州経済も13年には落ち着きを取り戻すことが予想され、世界経済の持直しによる輸出の回復をきっかけに、日本経済も緩やかな回復が期待される。
 ゴム産業の12年の生産動向をみると、昨年はじめには回復傾向が見られた日本の景気も欧州債務危機の長期化や世界経済の減速に伴い、後半には後退局面に。こうした環境から自動車タイヤ生産は113万㌧、前年比96%と減少見込み。ゴムホースも自動車、建機、一般産業の後半の停滞により、全体ではマイナス成長が予測され、ゴムベルトは2年連続で3万㌧の大台は確保するものの前年比若干減が予測されている。
 巳年は経済界において回復・上昇する1年であると例えられることが多い。昨年末の日本の政権交代は産業界からも歓迎のムードで、明るさが増した中での13年の始動となり、緩やかながらも回復の1年となることに期待される。
 中長期的な観点では安定成長の足場を構築することが重要と考えられる。企業に蓄積されている資産や世界で通用する技術力の有効活用、地産地消に見合った事業戦略としてのグローバル化が真に求められるだろう。

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