【CMB特集】 カーボンマスターバッチ 需要家の外注化の流れに期待

2012年09月26日

ゴムタイムス社

需要家の外注化の流れに期待 上期の生産は堅調に推移

海外進出への対応 配合技術高め需要確保へ

 2012年のゴム製品生産実績は、国内自動車生産が年初から順調な伸びを示し、上期合計の生産量は71万4181㌧、前年同期比2・0%増と小幅ながら前年実績を上回った。これを受けてカーボンマスターバッチ需要も堅調な需要に支えられ、上期は各社とも高い稼動率で推移した。
 日本ゴム精練工業会は今年4月に定時総会を開催し、ゼオンポリミクスの山本誠社長が会長に就任し、事業活動をスタートしたが、カーボンマスターバッチの市場動向を把握するため、会員企業23社に対し、11年年間の出荷量の調査を実施、このほど結果を取りまとめたが、それによると昨11年年間の市場規模は13万㌧強となった。
 これまで、同工業会では情報交換による市場動向の把握に努めてきたが、近年は12万㌧程度と推測、大きな差異はみられないものの、実際には1万㌧程度の開きが見受けられた。
 山本会長は「従来の市場予測はほぼ正確だったと判明したが、今後はゴム製品メーカーの一層の海外進出、生産の拡大、材料の現地調達化などで国内市場が縮小することは確実。従って、内需は付加価値を求めて技術力を高め、受注の確保に努めることが重要になる」としている。
 CMB企業は、ポリマー系列で大規模な生産能力を有する大手と、小口練りを得意とする中堅メーカーに大別され、それぞれの特徴を活かして事業展開している。大手メーカーはゴム加工メーカーの海外生産拡大を背景に、中国やタイなどで高品質CMBを生産、主に日系メーカーを中心に製品供給している。中国は景気減退から需要は現在落ち込んでいるものの、長期的には市場拡大が見込まれ、将来的には増産が見込まれる。また、インドネシア市場も有望視されており、タイの生産拠点から輸出対応が図れるほか、新たに生産拠点の新設も考えられる。
 下期の需要見通しについて、山本会長は「自動車用ゴム部品は新車生産の動向にもよるが、先行きは厳しい。しかし、震災復興需要はインフラを中心に部品需要が期待される。情報を早くつかみ、ニーズに見合う高付加価値製品の提供が重要だ」としており、日本ゴム精練工業会においても会員企業にとって真に必要な情報の提供や各種勉強会の開催などで存在意義を発揮させたい考えだ。
 ゴム精練各社は、優れたコンパウンド技術を駆使してユーザーが要求する高品質CMBを提供している。特殊な試験は費用の有料化が大きな課題でもある。近年の環境問題意識の高まりから産業廃棄物処理費用の増大があり、ゴム製品の高機能化に対応する各種試験費用の負担問題など収益圧迫要因は多岐にわたり、適正な収益体質の確立が課題となっている。

(2012年9月10日紙面掲載)