コベストロ、35年の達成めざす 温室効果ガス排出実質ゼロ

2022年03月16日

ゴムタイムス社

 コベストロは3月15日、スコープ1およびスコープ2について、2035年までに温室効果ガス排出実質ゼロを達成することを目標としていると発表した。この目標達成に向け、同社は2030年までに自社生産(スコープ1)と外部エネルギー源(スコープ2)からの温室効果ガス排出量を60%削減し、220万tにする計画を立てている。さらに、バリューチェーンの上流および下流工程からの間接的な温室効果ガス排出量(スコープ3)もさらに削減する。同社は、2023年までにスコープ3の削減目標を発表する方針。

 同社は「We will be fully circular」という企業ビジョンの実現に注力している。この目的のため、素材メーカーである同社は、生産と製品の全範囲にとどまらず、長期的にはすべての領域を完全にサーキュラーエコノミーのコンセプトに合致させたいとしている。この道筋の具体的な施策のひとつが、温室効果ガス排出実質ゼロ(クライメート・ニュートラル)で、同社はすでに2021年に、温室効果ガス排出量(製品生産量1t当たり)を2005年比で54%削減し、2025年に設定した従来の持続可能性目標を前倒しで達成させている。

 同社では、温室効果ガス実質ゼロを達成するために、2030年までに総額2億5000万ユーロから6億ユーロの投資を行い、エネルギー効率の向上により年間5000万ユーロから1億ユーロの操業費用の減少を見込んでいる。また、温室効果ガス実質ゼロの達成に向けて、同社は年間数億ユーロの操業費用の増加を見込んでいる。このコスト想定は、化石燃料の価格が再生可能エネルギーの価格よりも低いという過去の経験に基づいてなされている。

 また、同社のチーフ・サステナビリティ・オフィサーであるリネット・チュン氏は、「私たちは、長期的にすべての生産プロセスと製品を完全に循環型に移行することを目指しており、同時にお客さまの気候変動に関する目標の達成をサポートしていく」と述べている。顧客中心主義を重視する同社は、すでに温室効果ガス実質ゼロ製品のポートフォリオを継続的に拡大している。

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