取材メモ 点滴用バッグで需要拡大のSEBS 

2015年08月03日

ゴムタイムス社

 水添スチレン系熱可塑性エラストマー「SEBS」の需要が拡大している。中国で、点滴用輸液バッグへのポリプロピレンフィルムの採用が広がっており、その耐衝撃性の改質剤としてSEBSが使われているためだ、

 中国では、これまで点滴はガラス瓶に養剤を入れて使用していたが、破損したり、衛生面や取扱いの面で問題があることなどから、フィルムの輸液バッグが採用されるようになっている。

 そのフィルム素材には殺菌に耐えられる耐熱性が要求されるため、耐熱性に優れるポリプロピレンフィルムが、コスト面の優位性や原料の安定供給から主流を占めてきた。

 ところが、汎用のポリプロピレンでは耐衝撃性に劣ることから、その欠点を補う形でSEBSの樹脂改質剤としての需要が拡大しているのである。

 中国では、点滴そのものの文化が日本はじめ先進国とは大きく異なり、病院に行って風邪薬をもらう感覚で点滴を受けるという。

 日本では年間一人当たり1~2本なのに対し、中国では一人当たり年間5本も点滴を打つことから、輸液バッグ、ひいてはSEBSの需要も膨大なものがあると見られている。

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