双日子会社 欧州メーカーと耐熱性バイオ樹脂販売で提携

2012年11月27日

ゴムタイムス社

 双日は26日、同社の100%子会社である双日プラネット(田中勤代表取締役社長)がオランダの大手樹脂加工メーカーであるシンブラ社との提携に合意したと発表した。
 同提携は同社が商業生産ベースでは世界初となる耐熱性バイオ樹脂の日本を含むアジア圏への販売を目的として行われる。将来における代理店契約の締結に向け、まず双日プラネットが同製品のマーケティングを実施。同樹脂は世界に先駆けて年産5000MTキャパで商業生産を開始している。
 シンブラ社が生産するサトウキビ等の植物由来の耐熱性バイオ樹脂「シンテラ」は、従来のポリ乳酸より耐熱性に優れ、「第二世代ポリ乳酸」とも呼ばれている。従来のポリ乳酸は熱変形温度が50~60℃と低く、最終製品として使い捨ての包装資材、農業資材など用途が限られていたが、第二世代ポリ乳酸「シンテラ」は約120℃の熱変形温度を有し、機械強度と良好な加工適正を合わせ持つため、従来、自動車や家電・OA機器などに使用されていたポリスチレンやポリカーボネート、ABSなどの機能性樹脂を植物由来に置き換えることが可能となる。
 双日グループは従来の石油由来樹脂において長年の取引実績があり、植物由来のグリーンケミカルの取り扱いについても、樹脂から加工製品までのサプライチェーン構築で培った販売ルートやノウハウを生かして取り組んでいる。2011年5月には、ブラジルの南米最大の化学メーカーであるブラスケム社から、同社が製造するサトウキビ由来のバイオプラスチック樹脂「グリーンポリエチレン」の販売代理権を獲得した。また、2011年11月に米国のミリアント社と生分解性樹脂などの原料となるバイオプラスチック樹脂原料「バイオコハク酸」の製造・販売に関して提携するなど将来的に拡大する需要を見据え、植物由来の化学品・樹脂原料「グリーンケミカル」事業に注力。今後も双日グループ一体となって、石油由来製品に頼らないグリーンケミカル事業を推進し、持続可能な社会の構築に貢献していく方針。
〈シンブラ社概要〉
▽会社名=シンブラ(オランダ)
▽売上高=約320億円(2011年度)
▽従業員数=1500名
▽事業内容=欧州6ヵ国に計30ヵ所の製造拠点を有するEPS(ビーズ法発砲スチロール)メーカー

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