【ゴム薬品特集】 白石工業 表面処理技術など研究

2012年08月27日

ゴムタイムス社

表面処理技術など研究 高耐熱品の開発に注力

白石工業

 炭酸カルシウムのパイオニア、白石工業㈱。炭酸カルシウムの需要は拡大傾向にあり、同社は現在、生産技術力、研究開発力、販売ネットワークを主軸にグループ会社を構成、製造を白石工業㈱、販売を白石カルシウム㈱、そして研究開発を㈱白石中央研究所が担っている。
 同社グループの技術を支える白石中央研究所の田近正彦取締役所長(工学博士)および研究開発グループの筒井昌一主幹研究員に開発動向を聞いた。
 最近の需要動向については「ゴム並びにプラスチック分野は安定的な需要に支えられており、とくに自動車は軽量化、コンパクト化が進み、高耐熱のニーズが従来以上に高まりつつある。汎用製品の一般工業材料分野向けはコストダウンが厳しく要求され、いかに品質を維持、高めながら低コストなプロセスを保つかが大きな課題」(田近所長)。
 現在、同社が研究を進め、開発試作品となっているのが「パミスマーRE―02S」と「GK―08」の2商品がある。
 「パミスマー」は新規亜鉛系架橋助剤。複合化で塩基性炭酸亜鉛の表面活性を活かし、大粒径クレーの採用で分散性も改善、同社ではスポンジ用発泡助剤や、有機過酸化物架橋ゴム用の架橋助剤としての需要を期待している。
 「パミスマーは、EVAスポンジ断面のSEM観察結果では、均一な発泡セル径を示し、EPDMなどの耐熱老化性向上やシリコーンゴムのCs改善などで新規活用を期待している」(筒井研究員)。
 一方、天然ゴム用新規表面処理炭酸カルシウムの「GK―08」は、発想の逆転により、従来の50nmというゴム用炭酸カルシウムより大きな粒子径(約150nm)に設計することで表面状態を高度に制御することが可能となり、現在はカーボンブラック併用配合における低ムーニー粘度化と高硬度化の両立をセールスポイントとしてサンプル供給を開始している。
 白石中央研究所では、白石工業の中期経営計画に沿って製品開発を進めており、本社工場内に新たに設置したパイロットプラントを活用して粒子設計技術と表面処理技術のノウハウを一層深化、発展させ、ユーザーが求める炭酸カルシウムのリーディングカンパニーとして発展を目指す。

(2012年7月23日紙面掲載)

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