【ベルト特集】ゴム・樹脂搬送ベルト

2012年03月28日

ゴムタイムス社

 国内需要は回復基調で推移 将来は海外市場の伸びに期待

 原材料高騰への対応が課題 各社省エネベルトなどの開発急ぐ

 日本ベルト工業会がまとめた本年8月のゴム・樹脂ベルト生産実績によると、ゴムベルトは2330㌧、前年同月比14%増と5ヵ月連続で増加した。内需は1673㌧で同8%の増加、輸出は657㌧、同32%増と内外需ともに好調に推移している。
 品種別生産実績をみると、コンベヤベルトは1251㌧、前年同月比23%増と2割を超す順調な伸びを示し、5ヵ月連続で増加した。このうち内需は709㌧、同10%増、輸出は542㌧、同44%増となっている。
 一方、8月の樹脂ベルト生産量は9万7㎡で前年同月比15%増と、ゴムベルト同様5ヵ月連続でプラスとなっている。品種別では、PVC製が1万5581㎡で同28%増、ポリウレタン製は4万6637㎡で同18%減、その他が2万7789㎡で同193%増となっている。ポリウレタン製がマイナスとなったほかはいずれも順調な伸びとなった。樹脂ベルトの1―8月累計生産量は73万7490㎡で、前年同期比13%と2ケタ伸長となった。
 本年上期時点におけるゴムコンベヤベルトの総販売実績は国内販売が全体の6割強、輸出が3割強となっており、内外需ともに順調。しかしながら、急激かつ大幅な円高基調により、ベルトの輸出採算は大幅に悪化しており、搬送ベルト各社は需要回復基調の国内販売に注力している。
 ゴムコンベヤの国内販売の需要先別販売比率をみると、主力の高炉8社向けが全体の22%程度を占め、販売は2割程度の伸びを維持しており、他の販売先も軒並み前年実績を上回っており、順調に需要が回復している。
 樹脂搬送ベルトの需要先別販売実績(比率)は、国内販売が96・3%、輸出が3・7%と圧倒的に内需主導。需要先は食品向けが25・9%でトップ、続いて食品機械(12・9%)、物流機械(13・7%)と、この3分野で半数を占めている。
 コンベヤメーカー各社は今春、合成ゴムや各種副資材など原材料価格が高騰していることに対応し、ゴムコンベヤベルト製品の価格改定を打ち出した。各社の実情に応じて改定幅は異なるが、概ね10~15%の改定率を打ち出し、粘り強い交渉の結果、夏ごろまでにほぼ決着した。しかし、その後も原材料価格はジリジリ上昇を続け、内部努力によるコスト吸収は限界に達したことから、ブリヂストンは本年度第2次値上げを打ち出した。横浜ゴムも大手需要家に対して値上げを要請しているという。
 各社の今後の販売戦略に関しては「国内需要は堅調に推移しているものの大きな伸びを期待することは困難」との見方で一致しており、こうした中でユーザーが求める省エネに貢献する搬送ベルトの開発に注力する方針だ。また、グローバル展開も今後の競争に勝ち抜くには避けられない状況のようだ。
 一方、樹脂搬送ベルトの主な用途は食品や物流関連が中心となっている。販売市場はほとんどが国内向け。「海外の需要は東南アジア向けなどで少し動きがあるものの極めて少ない。国内の高スペックな樹脂ベルトの需要が増えるには、まだ時間を要するものと思われる」(樹脂ベルトメーカー)。
 樹脂ベルトの食品用途向け商品の開発は活発に行われており、フォルボ・ジークリング・ジャパンは、新たなエッジシール技術を採用した「スマート・フード・シリーズ」の充実化を図り、三ツ星ベルトは結晶性物質の基材への擦り込みを防ぐ「低収縮ベルト」の販売を開始している。バンドー化学は、小プーリ・ナイフエッジ対応のコンベヤベルトに表面がライトブルー色の「ミスタークック・ザ・ブルー」を追加、ラインアップを拡充している。
 新たな事業展開の試みでは、昨年よりハバジット日本が全国の営業所に顧客対応専任の「カスタマーサポート」担当者を配置するなど、顧客サービス強化に乗り出している。(2011年10月24日紙面掲載)

 樹脂ベルト

 3月累計生産量は7%増に

 樹脂ベルトの生産が堅調に推移している。日本ベルト工業会がまとめた本年1―3月期の樹脂ベルト生産実績をみると、生産量全体は27万721平方㍍で前年同期比107% と1割に近い伸びを示した。出荷金額は26億7200万円、同106%となっており、ほぼ 生産の伸びにスライドした。ただし、3月の生産量は8万1288平方㍍で前年同月比84%と 大きく落ち込んだが、この要因としては東日本大震災による需要減の影響が表れたものと思われる。
 品種別生産実績をみると、PVC製が4万7917平方㍍、同108%、ポリウレタン製は 18万1480平方㍍、同104%、その他製の樹脂ベルトは4万1324平方㍍、同126% となり、いずれも前年同期実績を上回っている。
 樹脂ベルトの需要は近年、景気変動に伴い増減してきたが、中でも食品産業用途は 比較的安定した需要が続いており、新機能付与により新たな需要の開拓にも結びつ いている。こうした中で、樹脂ベルト各社は素材面を含めて新商品開発に注力している。
 11年度の樹脂ベルトの需要予測は110万3063平方㍍、前年度比109%が見込ま れている。内訳は、内需が104万4050平方㍍、同110%、輸出は5万9013平方㍍ 、同99%。
 主要需要先の食品・食品機械向け需要は底固く、物流・物流機械、精密機械の需要 も好調に推移する見通しで、年度では2ケタ近い伸長が予測された。(2011年6月6日紙面掲載)

3月の樹脂ベルト生産実績

3月の樹脂ベルト生産実績