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N-PLAS EXPO

2011年05月25日

ゴムタイムス社

 接着接合と耐熱放熱化技術展/軽量化高技術展など高分子ソフトマテリアルの総合展示会が開催。ソフトマテリアルの開発技術や耐熱・高強度化技術など複数の化学技術分野にまたがる技術の展示会N PLASが18日から3日間、東京ビッグサイト・東ホールで開かれた。主催は日本プラスチック工業技術研究会で高分子学会らが協賛する。 出展と合わせて、ソフトナノマテリアルやタイヤ材料開発、熱可塑性エラストマーの医療用途の取り組みをはじめ、医療・航空分野や液晶ポリマー、タッチパネル、はがせる接着、電子デバイス実装基盤の耐熱樹脂材開発ら27の技術テーマで各分野の第一人者がセミナー講演を行った。 出展社と内容は以下。 右川ゴム製造所 「100年を超えるゴム製品製造の技術蓄積は、配合技術と細部にわたる金型技術にある」とし、自動車用部品、建築用部品、OAローラー用ゴムやスポンジ、一般工業用品、健康グッズ「ぽんぽんマッサージャー」などを出品。 展示会に向け、製品・技術の販促用カラー冊子を分野別に新たに数種作成。永久ひずみをゼロ近くまで近づけた高復元性ゴムスポンジ「スーパーセットフォーム」や、提携先の金星ゴム工業が伊企業と共同開発した、アウトガスが従来比格段に少ない機能性フッ素ゴム「ビーナスフロン」などが目を引いた。 タイカ シリコーンを主原料にしたゲル状素材「アルファゲル(αGEL)」を用途別に各シリーズで展示・実演を行った。 ランニングシューズの衝撃吸収用途で知られる同製品は、幅広い温度下でさまざまな薬品や紫外線、オゾンでの耐久性を保持することから電子機器・プリント基板・ステッピングモータ用慣性ダンパー・精密試験測定器などでの振動吸収用途や、添加剤をくわえることで熱伝導性の付与と衝撃・振動吸収性の複数機能を発揮できるという。 テクノプレニード・ヒダ 岐阜県川辺町に本社を置く同社は、独自のゴム薬品「プレニード」製造・販売および工業用ゴム製品製造・販売を中心に、ゴム練生地の加工・販売、超低硬度ゴムの製造・販売がメイン。JIS硬度0の低硬度ゴムをはじめ、硬度0から15までさまざまな低硬度ゴムを出展した。 東京ベルト 耐熱性や耐薬品、導電性など各種機能性プラスチックやゴムの特性に応じた素材選定とその加工法をセットで提案。新たにスポンジ加工事業を協力工場と連携してスタート、小ロットから対応するほか、金属の表面にフッ素樹脂を一体化、非常に硬い皮膜にすることで離型材や潤滑剤を不要にする「マテックス処理」加工販売事業を展示した。 プラスチックはMCナイロン、フッ素樹脂、ポリアセタール、超高分子量ポリエチレン、アクリル、ポリカーボネートやPET、PEEKなどのエンジニアリングプラスチックまでを、ゴム製品はNRN、BR、CR、イソプレンゴムやBR、EPDM、SBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムまで多彩な品揃え、加工ノウハウを訴求した。 東洋紡 自動車関連を中心に需要の多いエンジニアリングTPEのポリエステルエラストマー「ペルプレン」をはじめ、エンジニアリングプラスチック「サーリンク」、レインフォースドPET「VYLOPET」および再生PETボトル素材から生まれたエコプラスチック「ECOVYLOPET」などを出展した。 日本ゼオン 同社が世界に先駆けて開発したシクロオレフィンポリマー「ゼオネックス(ZEONEX)」「ゼオノア」を出展した。 ゼオネックスは優れた光学特性を活かし、カメラ部品、レーザービームプリンター用レンズに供され、低不純物特性を活かし医療用途や低誘電率・低誘電正接を活かした電気絶縁用途などにさらに展開を期待している。 藤倉ゴム工業 カーボン製ゴルフクラブシャフトの国内トップメーカーとして培ったカーボン製品の設計・成形技術を活かし、くるまのカーボン製プロペラシャフトへの新規参入を目指す。新開発した同シャフトは、独自の強度向上積層技術と同時多層巻回により、強度が従来比2割向上、金属シャフト比で1本で1キロ軽量化した。 特許出願中の金属部品との独自接合技術と、シートワインディングの自動化により、品質・信頼性の向上と省力化・加工コスト削減を可能にし、小径でも大トルク伝達を可能にした。 モリテック 金型不要のトリプルMシステムを開発。これにともない①あらゆる形状②小ロット注文③豊富な素材バリエーション④低コストで製造⑤迅速な納品に対応可能で、切削一体加工や極小加工、クリーンルーム加工、研磨面加工などさまざまな加工に対応する。   東北大・西教授が講演「最近のソフトナノ材料の研究開発動向」   「ゴム・エラストマー・ゲルなどいわゆる『ソフトマテリアル』をいかに高性能かつ高機能化するかが今後の大きな開発テーマになっている―」。 3日間、延べ27のテーマで行われる同展ソリューションセミナーの冒頭は『最近のソフトナノマテリアルの研究開発動向』と題し、東北大WPI原子分子材料科学高等研究機構の西敏夫教授が100分にわたり講演、質疑を交わした。満員に近い100人余が聴講し、盛況だった。 講演で西教授は、同マテリアルの架橋構造、ナノフィラー、ミクロ相分離らのナノ構造制御、界面制御という極小のナノスケールのことだけをみていてはだめだ。 真逆のオーダーであるメガスケール即ち、巨視的物性との関連などを、きちんと把握しておくことが大切であり、双方の構造や制御を行い、認識しておくことが、この研究を実り多いものにするとした。 この研究が導く先には、革新的省エネタイヤの開発や、IBMで進みつつあるナノエレクトロニクス化、医療向けTPEの開発などすそ野は広大。今回の大地震で効果を発揮した免震ゴムの構造制御でも活躍しているなどと講演した。

超高復元性スポンジ(右川ゴム製造所)

αゲル使用の鉄道用信号機(タイカ)

樹脂製品・処理加工を提案(東京ベルト)

等速ジョイントブーツ(東洋紡)

透明樹脂の用途例(日本ゼオン)

製品・加工を訴求(モリテック)

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