東洋ゴム タイヤ外観自動検査システム開発

2011年06月13日

ゴムタイムス社

技術説明する水草課長

東洋ゴム工業㈱は中京大学、日本機材㈱、シャープマニファクチャリングシステム㈱と共同で、新タイヤ外観自動検査システム技術を確立した。東洋ゴム は高度な識別技術を活用したタイヤ自動検査システムを一部の工場で導入しているが、画像処理におけるシステム技術の進化を実現させたもの。今後は新タイヤ 外観自動検査システムを、全世界のタイヤ工場に導入し、グローバルに生産するタイヤの品質を世界トップレベルで平準化、供給体制を整える。 東洋ゴムは、この新タイヤ外観自動検査システム技術を横浜パシフィコ(神奈川県)で開催された第17回「画像センシングシンポジウム(SSII)」に出展、披露し、技術の紹介を行った。 同社は、既に高度な識別技術を活用した自動検査システムを実用化、桑名工場に導入しているが、さらに画像処理におけるシステム技術の進化を実現した。 自動車用タイヤの品質検査は、製品ごとに決められた検査規定を基に、自動検査システムと目視による厳格な二重、三重のチェックが行われている。近年は、タ イヤに求められる性能の多様化に伴い、品質チェックが複雑化し、高度な識別能力が求められている。 また、生産設備の進化により、目視検査の役目も高まり、低燃費タイヤなど新たな性能や構造を持つタイヤが商品化され、検査精度の向上が大きな課題となっていた。 開発は2007年に着手、画像処理など技術的に難解な分野は中京大学が担当し、装置としてのイメージ段階では、プログラミングなどをシャープと共同で、さらにシステムを組み込んだ検査装置の開発は日本機材が担当した。 技術説明を行った東洋ゴムのエンジニアリングセンター電気システム・制御開発部の水草裕勝開発担当課長は「既存の自動検査機に新開発の外面自動検査を組み 合わせることで、自動検査の精度が進化、人の目視、感触検査に機械が得意とする小さな特異点検査や形状計測、寸法計測、継続性などが融合し、総合的な検査 精度向上が実現した」などと語った。 新しい外観検査システムは、CCDカメラで撮影した画像を解析し、特異点のみをモニターに映し出し、検査員が確認を行う。人が苦手とする検査項目を機械が補うシステム。10件程度の共同特許を出願している。 今後の導入計画については、既存の検査システムを導入している桑名工場に、年内にも設置する計画で、あわせて現在建設中の中国タイヤ新工場にもコンセプトにあわせたシステムを導入する方針。 東洋ゴムでは、新タイヤ外観自動検査システムを桑名工場、中国新工場を皮切りに、順次国内外のタイヤ工場に導入展開し、グローバルに生産するタイヤの品質を世界トップレベルの水準で平準化させ、供給体制を整える。

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