販売回復で大幅な増収増益 タイヤ4社の1~6月期

2021年08月23日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の21年12月期第2四半期連結決算が出揃った。原材料高や半導体供給不足などの懸念材料はあるものの、タイヤ販売はコロナから経済回復が進む北米、欧州、アジアなどで力強い回復を見せている上、為替の円安傾向や売値改善効果などもあり、タイヤ4社の業績は大幅な増収増益を達成した。

 ◆ブリヂストン
 ブリヂストンの第2四半期連結決算は、売上収益は1兆5687億8900万円で同24・2%増、調整後営業利益は1761億7300万円で同369・3%増となった。
 調整後営業利益の増減要因は、売値で180億円、MIXで130億円、数量で840億円、加工費で750億円、為替で30億円の増益要因となった。一方、原材料で190億円、営業費で230億円、南米通貨で70億円、その他で54億円の減益要因となり、米州建築資材事業売却の影響を除くと計1386億円の増益となった。
 地域別では、日本の売上収益は4558億円で同11%増、調整後営業利益は367億円で同86%増、米州の売上収益は6698億円で同27%増、調整後営業利益は950億円で同249%増、欧州・ロシア・中近東・アフリカの売上収益は3307億円で同37%増、調整後営業利益は163億円(前年同期は142億円の損失)、中国・アジア大洋州の売上収益は1851億円で同25%増、調整後営業利益は229億円で同170%増となった。

 ◆住友ゴム工業
 住友ゴム工業の第2四半期連結決算(IFRS)の売上収益は4400億8200万円で前年同期比29・4%増、事業利益は300億8800万円(前年同期は23億900万円の損失)、営業利益は285億7600万円(前年同期は29億7400万円の損失)、四半期利益は205億100万円(前年同期は93億4100万円の損失)となった。タイヤ事業の売上収益は3692億8900万円で同27・0%増、事業利益は234億7700万円で(前年同期は8億9500万円の損失)の増収増益となった。
 第2四半期の事業利益の増減要因を見ると、増益要因が価格が53億円、数量・構成費が194億円、直接原価が67億円、為替が19億円、減益要因は原材料が41億円、固定費が25億円、経費が23億円でタイヤ事業では計244億円の増益となった。これにスポーツ事業が84億円の増益、産業品他が4億円の減益となり、合計で前年同期比で301億円の増益となった。

 ◆横浜ゴム
 横浜ゴムの第2四半期売上収益は3038億8800万円で前年同期比27・7%増、事業利益は263億2200万円で同約13倍、営業利益は486億4900万円で同約16倍、四半期利益は369億3300万円で同約29倍となった。利益面はいずれも過去最高益となった。
 事業利益の増減要因は、タイヤ事業では為替差で19億円、販売量で91億円、製造原価で74億円、価格/MIXで18億円、固定費で21億円、特殊要因で12億円の増益要因となった。一方、原料価格で2億円、変動費で50億円の減益要因となり、タイヤ事業では計183億円の増益となった。これに増益要因としてATGの39億円、MBの9億円、その他の12億円を加えると合計で243億円の増益となった。
 

 ◆TOYO TIRE
 TOYO TIREの第2四半期売上高は1863億9200万円で前年同期比23・8%増、営業利益は269億5800万円で同240・0増、経常利益は292億1900万円で同567・2%増、四半期純利益は206億7300万円で同約40倍となり、経常利益と四半期純利益は上期ベースで過去最高を更新した。
 営業利益の増減要因は、タイヤ事業では販売要因で157億円、製造コストで69億円、為替で7億円の増益要因、販管費で12億円、原材料で39億円の減益要因となり、タイヤ事業では計182億円の増益となった。これに自動車部品の9億円の増益を加え、合計で190億円の増益となった。
 北米の売上高は1090億3500万円で同33・8%増、セグメント利益は81億400万円で同95・6%増。日本の売上高は474億5200万円で同11・1%増、セグメント利益は157億4500万円で同542・9%増となった。
 その他の売上高は299億300万円で同13・4%増、セグメント利益は27億1000万円で同237・5%増となった。

全文:約1819文字

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー