横浜ゴム 海洋無人探査機用の浮力材を開発

2014年04月02日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは4月1日、独立行政法人 海洋研究開発機構(=JAMSTEC)が建造した新型の海洋資源探査用大深度無人探査機「かいこうMk―Ⅳ」に使われる高強度浮力材を同機構と共同開発し、納入したと発表した。
 軽量かつ高強度で、厳しい環境にさらされる深部での使用も可能となっている。大深度探査機に用いられる浮力材は、繰返しの高耐圧性の発揮や低吸水性など性能に厳しい基準が設けられているが、新開発した浮力材は求められる基準を十分に満たすとして高い評価を受けた。「かいこうMk―Ⅳ」は現在、本格運用に向けて搭載機器などの性能試験を実施している。
 潜航深度が深い海底探査機は圧壊しないよう頑丈な素材を使用するため、機体の自重が重くなる。さらに重い観測機材なども積載するため、水中で中性浮力を得るために浮力材を使用する。今回開発した高強度浮力材は微細な中空ガラス球と樹脂を用いて成型した構造になっている。中空ガラス球は浮き袋の役割を果たすほか、成型品の強度向上にも貢献する。横浜ゴムは原材料への機能付与処理から成型技術に至るまでの一連の開発を行い、今回その製品化に成功した(特許取得済み)。
 横浜ゴムの航空部品事業は、ラバトリーモジュール(化粧室ユニット)やウォータータンクなどに代表される民間航空機向け製品のほか、海洋商品も手掛けている。JAMSTECが1989年に開発した有人探査機「しんかい6500」への油圧ホースや継手の納入など、これまでの高品質な製品開発の実績が評価され、数年前から同機構と大深度用高強度浮力材の共同開発を進めていた。

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