帝人フロンティアがストレッチ素材開発 快適な着用機能性を実現

2025年06月13日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティアは6月12日、ポリウレタンを使用せずに優れたストレッチ性を有し、ナチュラルな微細立体表面構造によるエアリーな質感と、優しい肌触りでストレスのない着用快適性を実現した新感覚ストレッチ素材「ソロテックスデライト」を開発したと発表した。
 今後、同社は「ソロテックスデライト」を2026年秋冬の国内、海外のスポーツおよびファッション・インナー衣料向けの重点プロモート素材と位置付けて拡販を図っていく。
 同社は長年培ってきたPTTの紡糸・延伸技術を駆使し、細繊度でありながら強く大きなクリンプ構造を持つことで、ポリウレタンを使用せずに優れたストレッチ性を有する新たなPTTコンジュゲート原糸(S/S複合繊維)を開発した。
 そして、この原糸の周りにハイマルチの柔らかいポリエステル繊維を組み合わせ、特殊糸加工技術を用いてランダムで大きさが異なる複数のクリンプを発現させた芯鞘型の混繊糸に仕上げた。
 さらに、この混繊糸を高密度テキスタイルにすることで、繊維表面にナチュラルな微細立体構造を有し、エアリーな質感や優しい肌触りでストレスのない着用快適性を実現した新感覚ストレッチ素材「ソロテックスデライト」を開発した。
 「ソロテックスデライト」の特長は、新しい質感と外観と、快適な着用機能性、環境対応となる。
 芯糸と鞘糸のクリンプ構造差を極大化した微細立体表面構造とすることで、ナチュラルな凹凸外観や適度なハリコシ、ドレープ感を有す。
 優れたストレッチ性とともに、複数の異なるクリンプ構造を組み合わせることにより、ソフトでエアリーな着用感を発揮し、まるで着ていることを忘れるような着心地と、優れた通気性や吸水速乾性も実現する。また、微細な生地の凹凸によって発汗時のべたつきも防止する。
 芯糸となるPTTコンジュゲート原糸の一部には植物由来原料を使用し、鞘糸にはリサイクルポリエステルを使用した環境に配慮した素材となる。
 同社は、「ソロテックスデライト」を2026年秋冬の国内および海外のアウトドア・スポーツ向けとして販売を開始し、その後、インナー衣料やファッション衣料などのライフスタイル向けへと幅広く展開し、2026年度に10万m、2029年度に100万mの販売を目指す。

ソロテックスデライト

ソロテックスデライト

PTTコンジュゲート糸のクリンプ構造

PTTコンジュゲート糸のクリンプ構造

「ソロテックスデライト」の生地表面

「ソロテックスデライト」の生地表面

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