帝人グループ 光ファイバーケーブル補強用アラミド繊維テープを開発

2012年05月09日

ゴムタイムス社

 帝人グループでパラ系アラミド繊維「トワロン」を生産・販売しているテイジン・アラミドB.V.(オランダ・アーネム市)は、光ファイバーケーブルの補強用として用いられるアラミド繊維テープ「トワロンテープ」を開発し、このほど販売を開始した。

 「トワロンテープ」は、「トワロン」の長繊維(多数の繊維で構成されるマルチフィラメント)1本を平らに拡げ、樹脂を含浸させた、幅2.9mm、厚さ100µm(マイクロメートル)の超薄型のテープで、「トワロン」の特長である優れた耐衝撃性、寸法安定性、柔軟性を備えている。従来より、パラ系アラミド繊維は光ファイバーケーブルの補強材として使用されているが、このたび開発した「トワロンテープ」を使用することにより、従来の補強に比べ、ケーブルの耐圧性が3~5倍向上する。
 最近は、小型かつ軽量で、施工性に優れた光ファイバーケーブルに対するニーズが高まっており、ケーブルの細径化が進むにつれ、光が通過するコアと呼ばれる芯材の均一な保護が難しくなることから、細いケーブルを保護するソリューションが求められている。「トワロンテープ」は、超薄型のテープ状であるため、最小直径1.2mmという極細の光ファイバーケーブルを均一に補強することができる。

 現在使われている光ファイバーケーブルの中でも細径といわれる直径1.6mmのケーブルを、より細い直径1.2mmに置き換えて使用することで、光ファイバーの接続点を収納する光配線盤の容量を30~50%増やすことが可能となり、さらにケーブルの冷却に要するエネルギーも少量で済むことから、コストやCO2排出量の削減にもつながる。
 加えて、「トワロンテープ」は柔軟かつ丈夫であることから、これを補強材として使用した光ファイバーケーブルは接続や取り外しも容易となり、より迅速かつ効率的にケーブルを設置することが可能となる。また、長さ25kmという単位で販売されることから、長いケーブルの生産にも適している。

「トワロンテープ」

「トワロンテープ」

 

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