横浜ゴム 「FLASH ONE」弾性接着剤 高級スピーカーに採用

2011年08月01日

ゴムタイムス社

FLASH ONE

横浜ゴムは同社の一成分形速硬化型弾性接着剤「FLASH ONE」が大手音響メーカーとの共同開発によってハイエンドモデルのスピーカー向け仕様を確立し、同メーカーの製品に採用されたと発表した。
商品名は「FLASH ONE A2―70C」。今年中に納入を開始する予定。なお、音質向上を目的として開発された接着剤は市場では初めて。
一般にスピーカーには、内部のコーン(振動板)やボイスコイルなどの部品の接合に接着剤が使用し、接合部位間における振動の伝搬によって音質が大きく左右される。同製品は分子の架橋密度を調整することでスムーズな振動の伝搬を可能とし、原音の再現性を高めることに成功した。
また同用途の接着剤は、内部損失を高めるほど残響が少なくなり音がクリアになる一方で、弾性が失われ音質を高音寄りに変化させる傾向があった。同製品はこうした難点を克服し、高級スピーカーのさらなる高音質を求める愛好者の要望に応えるべく開発を開始。相反する機能の両立というハイレベルな要求に対し、同社が長年培った独自の配合技術により、弾性を保ちながら内部損失を高めることを実現。これにより、低音域から高音域にいたるまで良好な音質の発現が可能となった。
同社は新規事業開拓の一環として、2009 年から「FLASH ONE」シリーズを展開。硬化が速いうえ、樹脂や金属、紙など様々な部材への優れた接着性能を発揮。さらに有機溶剤を使用せずに、作業環境の改善や環境負荷の軽減が図られ、すでに液晶テレビや有機EL照明、太陽光発電モジュールなど多様な製品に採用されている。

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