出光興産らが実証実験開始 プラスチック端材の再資源化

2023年12月21日

ゴムタイムス社

 東洋製罐グループホールディングスと出光興産は12月20日、共同で、プラスチック製品の製造工程で発生するプラスチック端材の再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。
 同実証実験では、東洋製罐グループの各事業会社の工場におけるプラスチック製品の製造工程で発生するプラスチック端材を原料とし、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。
 出光興産はこの生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用可能かを確認するとともに、プラスチック端材の再資源化の可能性を検証する。
 将来的には、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用し、プラスチック端材由来の生成油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
 東洋製罐グループは、2019年に策定した中長期環境目標「Eco Action Plan 2030」を通じて、「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」の3つの社会の実現を目指し、地球環境に配慮した事業活動をグループ全体で推進している。
 「資源循環社会」の実現においては、特に化石資源の利用から、再生材や植物由来樹脂などの再生可能材料への転換を進めていく。枯渇性資源の使用を最小限に抑え、使用後は再び資源化されやすい製品設計を進めることにより、ワンウェイから循環型製品・システムへ進化させることを目指している。
 環境負荷を低減するための施策を具体化することで実効性を高め、実現に向けた取り組みを着実に推進していく。
 出光興産は 2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度2023~2025年度)では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」3つの事業領域の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と 「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
 プラスチック端材の再資源化の取り組みは、出光興産が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環となる。
 両社は同実証実験を通じて、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいく。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー