出光興産らが共同実験開始 プラスチックの再資源化

2023年12月01日

ゴムタイムス社

 日本通運と出光興産は11月30日、共同で、使用済み物流資材プラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。
 同実証実験では、日本通運の物流拠点で発生する使用済み物流資材プラスチックを原料として、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。
 出光興産は、この生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用できるかを確認することで、使用済み物流資材プラスチックの再資源化の可能性について検証する。
 将来的には、使用済み物流資材プラスチック由来の生成油を原料に、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用して「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
 また、日本通運は、自社の配送車両や拠点を活用した効率的な使用済みプラスチックの収集・運搬についての検討を進め、輸送時に発生するCO2排出量の削減にも取り組んでいく。
  NXグループは、2037年に迎える創立100周年に向けて長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を掲げている。
 この長期ビジョン達成に向けて、経営計画では「サステナビリティと経営の統合」をコア戦略の1つと位置づけ、持続的な成長とステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指している。
 また、サステナビリティビジョン「事業を通じて世界の人々のより良い暮らしと持続可能な社会の発展を支える」を策定し、循環型社会の実現に向けて、事業活動における廃棄物の削減と3R(リサイクル・リユース・リデュース)の推進、再利用可能な資材の活用や環境に配慮したサービスを提供している。
 出光興産は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度、2023~2025年度)では「一歩先のエネルギー」、「多様な省資源・資源循環ソリューション」、「スマートよろずや」の「3つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
 使用済み物流資材プラスチックの再資源化の取組は、出光興産が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環となる。
 同実証実験を通じて、両社でカーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいく。

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