ブリヂストン中間決算 グローバルタイヤ生産量過去最高の194万トン 

2011年08月09日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンの2011年12月期中間連結決算は売上高1兆4591億円、前期比5%増、営業利益936億円、同19%増、経常利益918億円、前期比35%増の増収増益となった。

 タイヤ事業では為替円高や原材料価格高騰などの減益要因を販売数量の増加、売値改善、体質強化でカバーし、売上高は1兆2212億円、同6%増、営業利益897億円、同27%増の増収増益となった。

 タイヤ需要については新興国における需要増を背景にグローバルに需要が伸長。日本では震災の影響により乗用車の新車用タイヤが前年比3割弱の減少となったが、国内補修用は乗用車用タイヤで前年比1割強、トラック・バス用タイヤでは復興需要を含め前年比15%程度伸長した。北米、欧州の成熟市場でも需要は堅調に推移した。下期以降も堅調な需要が見込まれることから、同社では今期の生産ゴム量予想を国内57万㌧、海外136万㌧のグローバル合計194万㌧と過去最高を予想している。設備投資も建設鉱山車両用超大型ラジアルタイヤなどの戦略商品、中国、インドでのタイヤ生産能力増強を中心に2300億円(タイヤ2050億円、多角化250億円)を計画している。

 多角化事業は防振ゴムなどの国内自動車向けやスポーツ事業の販売が震災以降減少し、売上高が2451億円と前年並みとなり、利益面では減益要因をカバーできずに38億円、同51%減の減益となった。所在地別で日本は為替円高や原材料価格高騰を数量増、売値改善でカバーできず増収減益となったが、日本以外は増収増益となった。

  営業利益段階では減益要因である為替円高200億円、販売数量増による物流費の増加など販管費増140億円、天然ゴムをはじめとする原材料、素材価格の高騰1240億円に対し、増益要因である販売数量増、売値改善、MIXなどにより1602億円、戦略商品の拡大130億円が寄与し、合計では対前年で152億円の増益となった。

 東日本大震災の影響については生産面では3月11日の震災以降、関東の5工場において一時生産を停止したが、3月中にすべての工場で生産を再開。計画停電の影響については、自家発電設備であるコ・ジェネレーションシステムをフル活用、原材料調達の面ではグローバルにひろがるネットワーク、強固なパートナーシップによって生産への影響を最小化した。さらには5月連休にも操業したことによりタイヤ事業においては上期を通してほぼ計画していた生産量を確保することができた。

 2011年12月期の連結業績予想については売上高を従来予想の3兆1900億円から3兆1300億円に下方修正したが、営業利益は1670億円から1940億円に、純利益は940億円から1150億円にそれぞれ上方修正した。売値改善、販売数量増、戦略商品の拡大で増益を見込む。

関連キーワード: ··

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー