【シリコーンゴム特集】モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ 「Silplus」の拡販に注力

2012年08月20日

ゴムタイムス社

「Silplus」の拡販に注力  成長市場に新規開発製品投入

モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ

 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(本社・東京都港区)は海外で豊富な使用実績を有するシリコーンゴムのグローバル・グレード「Silplus」の本格販売を今春から開始したが、自動車用部品はじめ押出成形品での採用検討が進むなど着実な伸展を見せている。 
 この「Silplus」は成形加工性及びコストパフォーマンスが優れたミラブルシリコーンゴムコンパウンド。汎用(MP)、高強度(HS)、押出し成形用(EX)、電線用(CW)の4タイプがあり、日本では11年に市場投入したMPに続いてHSの積極展開を開始した。
 「Silplus」は、過酸化物系または白金系の加硫剤およびその他の成分を適切に配合することにより、型プレス、押出し、カレンダーなどの各種成型方法に対応が可能。特性面では、耐寒性、耐薬品性など、従来のシリコーンゴムの特長に加え、機械的強度が高く、圧縮永久歪みが小さい点で優れているのが特長。また、一次加硫のみでも十分な物理的特性を得ることができ、コストパフォーマンスにも優れていることから、一般雑貨、電気・電子装置部品、Oリング、ガスケット、ダイヤフラム、ブーツ、電線被覆、チューブ、シートなど、コンシューマーグッズ、電気電子、自動車、エネルギー、ヘルスケア各分野における広範な用途への適用が可能となっている。
 また、同社では、近年、環境対応商品はじめ成長市場に向け、「高透明液状シリコーンゴム」、「紫外線硬化型シリコーンゴム」、「自己接着性シリコーンゴム」などの製品及び、「「光拡散性シリコーンゴム」、「帯電防止シリコーンゴム」、「低揮発分・オイルブリードシリコーンゴム」などの新規開発品を相次ぎ市場に投入、積極拡販を図っている。 
 「高透明液状シリコーンゴム」は、優れた光学的特性、耐久性、成形加工性を最大の特長とし、LED周りのレンズなどで実績を有しており、新製品のFPDタッチパネル用のオプティカルボンティング材「InvisiSil OP」シリーズは表示装置のアクティブエリア内の空隙を埋めて張り合わせる高透明の液状シリコーンゴムで、光透過性に優れ、視認性が向上することから省エネ効果に優れる製品として注目を集めている。「光拡散性シリコーンゴム」は、LED照明機器の防眩、調光及び色ムラの解消等に有効な耐久部材である。「紫外線硬化型シリコーンゴム」は、最短0・5秒の紫外線照射で硬化し、高速押出し加工、熱可塑性樹脂との共押出し加工、省スペース、歩留まり向上などが可能であり、ミラブルタイプの「Addisil UV60EX」は汎用ホース・チューブ、窓枠シール、電線被覆などの押出成形品用途に最適としている。「自己接着性シリコーンゴム」は、エンプラ部品との2色射出成形が可能であり、モバイル機器等の防水シール材としての利用が拡大している。「帯電防止シリコーンゴム」は、帯電防止、除電、埃の付着防止が求められる一般雑貨、機器部材として脚光を浴びている。「低揮発分・オイルブリードシリコーンゴム」は、車載コネクタのシール材としての需要に対応するものであり、二次加硫なしで低圧縮永久歪みを実現し、生産性と信頼性を両立している。
 同社は成長市場分野であるLED、ソーラー、一般照明分野へフォーカスするとともに、ハイブリッド車などでの放熱シリコーンゴム採用の電子・電装部品、各種センサー類向けの自動車用分野へ注力。自動車分野では高温環境下での長期信頼性の向上要求に対応したディーゼル車のエンジン回り部品での耐溶剤性、耐熱性に優れるフロロシリコーンゴムでの需要や放熱シリコーンゴム採用の拡大により、足元、自動車生産の回復で販売は過去最高レベルまでに戻りつつあるという。
 一方、需要旺盛な中国市場では、江蘇省南通工場に加え、新安化工集団社と合弁による年産5万㌧能力の(モノマー)新工場が本稼動。同社では米国を含めた世界3極体制で生産品種の相互補完により旺盛な需要に対応していくとともに、「グローバル調達に大きく貢献できる」ことを強みとして掲げ、今後更に拡大する日本企業の海外展開支援への取り組みを強化していくとしている。
 また、国内太田工場では約6割を占める中国向け輸出の堅調な伸びでフル生産が続いているが、円高の進行による国内顧客の海外生産移行に対応するため、一般汎用製品を中心に中国・南通工場への生産移管を検討するとともに、太田工場では高付加価値製品への特化を推進するとしている。

(2012年8月13日紙面掲載)

 

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