【シリコーンゴム特集】シリコーンゴム 次世代自動車の進化に貢献

2012年08月20日

ゴムタイムス社

自動車生産拡大で需要回復

高機能化製品を相次ぎ投入 LED関連、医療用分野で

 シリコーンゴムは耐熱性や耐寒性に優れるほか、圧縮永久歪み、耐薬品性、耐候性、耐オゾン性、低温から高温まで幅広い範囲での電気特性など優れた特性をバランスよく有しており、これまでも自動車や太陽電池、建材、電気・電子分野など幅広い需要業界で採用が進んできた。シリコーンゴム各社は市場拡大が期待される、LEDや次世代自動車、再生エネルギーなどの分野に注力し、シリコーンゴムの優れた特性を武器に他材料からの代替を含め、各社ユーザーニーズに対応した新グレードの研究・開発により新たな需要開拓を進めている。

 シリコーンゴムは一般の有機材料とは異なり、優れた耐候性、耐熱性、耐寒性、電気特性を有しており、自動車関連ゴム部品、電気・電子、LED関連機器類のシール材や医療・食品関連機器部品などとして広範囲に使用されている。
 シリコーンゴムを国内市場に供給するのは、1953年以来,製造・販売を行う国産トップの信越化学工業、太田工場に技術開発拠点を持ちグローバル展開するモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズジャパン、米ダウコーニングの日本市場の製造・販売拠点として40年以上にわたり事業展開する東レ・ダウコーニング、旭化成とドイツ・ワッカーケミーの折半出資会社で明野工場で製造・販売する旭化成ワッカーシリコーンの4社。
 足元の需要動向は、「自動車の生産回復で自動車用材料が堅調に推移、OA・事務機器関連材料も新規製品への採用で復調」(信越化学工業)、「主力の自動車分野、エレクトロニクス分野では堅調な伸びを見せている」(東レ・ダウコーニング)、「自動車生産の回復で販売は過去最高レベルまでに戻りつつある」(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ)、「自動車用部品を中心に回復、新興国向けのOA機器用ロールでのLSRの採用が拡大」(旭化成ワッカーシリコーン)というように、東日本大震災以降の需要減退から自動車生産の回復で各社の国内工場はフル生産が続いている。シリコーンゴムの日本市場での生産量は約18万㌧前後、輸入約2万㌧前後で国内消費量は約20万㌧規模とみられる。

 

 

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