帝人化成 新樹脂を豊田合成と共同開発 自動車軽量化に貢献

2012年07月05日

ゴムタイムス社

 帝人化成(福田善夫社長)は4日、高い寸法精度や成形性、良好な外観特性を兼ね備え、自動車の軽量化だけでなく、従来の金属素材では不可能なデザインの成形を可能にする樹脂「パンライト AM-9937F」を、豊田合成と共同開発し、本格展開に向けて市場開拓に注力すると発表した。

 同社は背景として、地球環境保全の機運が高まる中、自動車業界では、環境に対する配慮から車体の軽量化・燃費改善などが大きな課題となっており、そのため、車体の軽量化に寄与すべく、ガラスや金属の代替として、自動車窓・枠材・ボディ材などといった自動車パーツの樹脂化が進んでいること、車体の軽量化が進む今日、バックドアやフェンダーなど大型パーツの樹脂化に対する顧客ニーズも日を追うごとに高くなっていること、従来の樹脂では、大型パーツに求められる寸法精度や成形性と、表面平滑性や色ムラの少なさなどの良好な外観特性の両立が難しいという課題があること、などを挙げている。

 このたび同社が開発した新素材「パンライト AM‐9937F」は、PC樹脂にポリエステル樹脂を混合したポリマーアロイで、特殊な微細繊維をフィラーとして配合することで、高い耐熱性や成形性、意匠性、耐衝撃性、防錆性などの特性は維持したまま、従来の樹脂では実現不可能であった高い寸法精度と良好な外観特性を両立。これにより、従来の金属素材では難しかったデザインの自動車パーツを製造することが可能となる。この特性から、トヨタ自動車の展開するLEXUSのプレミアムセダン「HS250h」にもラゲージドアガーニッシュ素材として採用されている。また、同樹脂を自動車の外板部材など、これまで鋼板が使用されていた箇所の素材として使用することで、鋼板比で約20%の軽量化が期待される。

 今後の展開については、金属代替素材として求められる耐衝撃性や寸法精度などのさまざまな高い性能に加え、樹脂ならではの成形性を活かし、自動車のボディ・ガーニッシュなどを中心とした外装・外板用途に展開し、2020年度までに年間100億円規模の売上高を目指す方針。また、さらなる高まりが見込まれる自動車軽量化や高機能化ニーズに応えるだけでなく、自動車のデザイン・意匠性の選択肢を大きく広げることができる新素材として国内外の既存市場の拡大とともに新たな分野への市場に挑戦していく。

 同グループでは重点技術領域として取り組んでいる『グリーンケミストリー』(地球環境の保護・改善に貢献する技術・高機能素材)のテーマの1つに「自動車の軽量化」を掲げており、その実現に向けた技術・素材開発に注力している。今後も、同グループが有する様々な技術・素材を組み合わせることで、「自動車の軽量化」による環境負荷低減に向けた市場開発を、より一層強化していくと語る。

「パンライト AM‐9937F」が採用されたラゲージドアガーニッシュ

「パンライト AM‐9937F」が採用されたラゲージドアガーニッシュ

 

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