日本ゼオン リチウムイオン電池の高容量蓄電を実現

2012年02月29日

ゴムタイムス社

 日本ゼオン㈱(東京都千代田区 本社 古河直純 社長)は、リチウムイオン電池の蓄電容量を従来より5~15%上げられる新規負極用バインダーの製品化に成功した。

 リチウムイオン電池は、軽量で高容量な蓄電池であることから、携帯電話、ノートブックパソコン、自動車用途などに広く使用されている。近年スマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及により、その高容量化は強く求められている。同社は95年にリチウムイオン電池の負極電極に使用されるバインダーを上市して以来、その高容量化の実現に向けて多数の製品を供給しており、市場でのシェアは約60%に達している。

 リチウムイオン電池の高容量化の手段の一つとして、負極にシリコン系活物質を用いる手法が長年検討されてきた。現在使用されている負極用活物質はグラファイト(粉末状黒鉛)が中心であり、その1グラム当たりの蓄電容量は320~360mAh/g(電池の蓄電容量単位)程度。実用化に向けて開発が進められているシリコン系活物質は800~1600mAh/gと非常に容量が大きいが、充放電時の膨張率である、充放電時の膨張収縮が大きく寿命の大幅な低下が課題である。そのため、グラファイトに5%程度を配合する手法で、スマートフォンなどで一部使用されるに留まっている。

 同社は、長年培ってきた電気化学的な技術、高分子の設計技術を活かして、バインダーの分子設計を大幅に見直し、シリコン系活物質を10%配合可能なバインダーの製品化に成功した。今後、リチウムイオン電池の大幅な高容量化が期待される。

 昨年11月より、一部ユーザーに販売を開始してきたが、本年2月より本格的な販売に転じた。さらに、シリコン系活物質を30%配合可能なバインダーの開発に目処がつき、夏季より実用に向け、サンプル出荷を開始する予定。