東洋紡エムシーがPBT新グレード開発 2027年度中の上市を目標

2026年11月06日

ゴムタイムス社

 東洋紡エムシーは11月4日、高い耐トラッキング性と難燃性を兼ね備えたポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂「バイロペット」の新グレードを開発したことを発表した。2027年度中の上市を目指す。

 近年、EV(電気自動車)においては、航続距離の延長や充電時間短縮を背景に、コネクタや充電プラグといった車載電装部品の高電圧化が進んでいる。これに伴い、車載電装部品に用いられる樹脂には、絶縁性能の維持に加え、トラッキング火災を抑制するための高い耐トラッキング性と難燃性が求められている。トラッキングとは、樹脂などの絶縁材料の表面に水滴などが付着した状態で高電圧がかかると、微小な電流や放電が発生し、それにより材料の一部が炭化して導電パス(電気の通り道)が形成される現象である。発火につながる恐れがあるため、耐トラッキング性は重要な評価項目の一つとなっており、その評価は比較トラッキング指数(CTI:Comparative Tracking Index)で行う。

 また、同じ電力を供給する場合には、高電圧化することで電流を低減できるため、ケーブルの細径化や部品の小型化が可能になる。こうしたことから、高電圧環境に対応できる材料へのニーズは高まっている。

 一般的に、PBT樹脂に難燃処方を施すとCTIが低下する傾向にあるが、開発品は、高い難燃性(Vー0相当/0・8mm)を維持しながら、CTI 600Vを実現した。また、難燃剤にはノンハロゲン系を採用しており、環境負荷低減に配慮した設計としている。
 これらの特性に加え、曲げ強さ、ノッチ付きシャルピー衝撃強さにおいても、高い機械的特性を有している。

 同開発品が持つ高い難燃性、耐トラッキング性を生かして、EVやデータセンターといった高電圧環境下で使用される電装部品(コネクタ、充電関連部品など)や電気・電子部品、ブレーカーなどへの展開を想定している。
 EVをはじめとする高電圧化が進む分野では、安全性の向上、高強度化、小型化・軽量化を実現する材料が求められている。同社は今後も、エンジニアリングプラスチック製品の高機能化を進めることで、市場のニーズに応えていくとしている。

開発品のペレット

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