産総研らが人協働型実験システム開発 メカノケミカル合成実験を一貫して自動化

2026年11月06日

ゴムタイムス社

 産業技術総合研究所は11月5日、同所のマルチマテリアル研究部門 カーボンニュートラル材料研究グループ 山口祐貴上級主任研究員らが、デンソーウェーブ、愛知工業大学、あいち産業科学技術総合センターと共同で、全固体電池材料の探索に用いるメカノケミカル合成実験について、粉体やビーズの秤量、容器の蓋の開閉、遊星ボールミル処理、試料の保管までを一貫して自動化する人協働型実験システムを開発したことを発表した。

 全固体電池は、電解質に固体材料を用いる次世代の蓄電池である。高い安全性や高エネルギー密度が期待される一方、性能を左右する固体電解質や電極材料の探索では、材料の組成だけでなく合成条件も変えながら多くの実験を繰り返す必要がある。特に、外気の影響を避けるグローブボックス内での粉体の取り扱いは煩雑で、研究者の手作業にかかる時間と負担が材料探索を進める上での課題であった。

 今回、研究チームは、限られた空間での粉体実験を行う小型の人協働ロボットと、蓋の開閉や重量物の取り扱いなどを補助するオリジナルのモジュールを組み合わせた。これにより、水分や酸素の影響を受けやすい全固体電池材料について、グローブボックス内で、秤量から遊星ボールミルによる処理、試料の保管までを連続して自動実行できるようになる。

 同システムは、研究者の作業負担を抑えつつ、多様な材料組成と処理条件を系統的に調べるための研究基盤となる。今後、材料の導電率や構造の評価、AI解析と連携することで、次の実験条件を自動的に提案する自律型材料開発システムへの発展が期待され、全固体電池材料の探索加速と研究開発のDX推進に貢献する。

自動実験システムを可能にするモジュール群

自動実験システムを可能にするモジュール群

開発したメカノケミカル合成用自動実験システムの外観写真

開発したメカノケミカル合成用自動実験システムの外観写真

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