【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情101 マレーシア編(後編) 加藤進一

2026年03月24日

ゴムタイムス社

 前編に引き続き、マレーシアのゴム産業について解説します。
 現在のマレーシアのゴム産業といえば、ゴム手袋産業です。天然ゴム、NBRラテックス、CRラテックスを原料に、手の形をした金型をラテックスにDIPし、その後オーブンで加硫して仕上げます。コンドームも同じような製法です。ゴム手袋生産はコロナ禍が進行した2020~2021年に大きく生産や販売が増えましたが、その後ワクチン等でコロナ禍が収束したことにより、反動で生産が大きく減りました。
 下のグラフがマレーシアからのゴム製品輸出金額の推移です。この中にはゴムホース、タイヤ、その他ゴム製品が含まれていますが、この金額の内70%程度はゴム手袋だと言われています。ゴム手袋の生産量は2019年に対して2020年は1・85倍になったと言われています。また2021年にはゴム手袋の輸出価格は平均で1000枚当たりUS$50にもなりましたが、今ではUS$18ぐらいに下がりました。
 マレーシアでは、2020年にゴム手袋の新会社がたくさんスタートしましたが、現在はそのほとんどが倒産したと聞いています。マレーシア最大でかつ世界最大手のゴム手袋会社TOP GLOVE社は年間700~800億枚生産していると言われています。すごい量ですね。マレーシア大手新聞社の「THE STAR紙」(2026年2月9日付け)によると、現在マレーシアのゴム手袋は中国とタイと熾烈な価格競争にさらされているとのことです。
 マレーシアから輸出には工業用ゴム製品もあります。1月にマレーシアを訪問した際、現地のゴム会社を訪れました。その会社は、工業用ホース、補修用自動車ゴム部品、鉄道用補修ゴム部品等をいろいろな国に輸出しています。OE部品ではありません。輸出先が、チリ、ブラジル、パナマ、ベネズエラ、トリニダード、サウジアラビア、シリア、レバノン、イラク、南アフリカ、オーストラリアだと言います。確かにこれらの国には大きなゴム会社はありません。マレーシアのゴム製品がこれらの国に流れているのですね。なかなか日本のゴム製品が輸出されている国々ではありません。機会があれば、これらの国にも行ってみたい気がします。マレーシアのゴム製品の輸出マーケットが少し分かった気がしました。

マレーシアのゴム製品統計

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