イノアックコーポレーションはこのほど、製造工程で発生した自社のウレタンフォームの端材を、再生原料化し、再生ウレタンフォームとして発泡するまでの一連の工程を開発したと発表した。
このケミカルリサイクルは同社が独自で開発した実証機を用いることで、再原料化から製品化に至るすべての工程を自社内で完結させることが可能になる。
ウレタンフォームは再原料化が難しい熱硬化性樹脂であることに加え、国内では高度な専門性を背景に、原料メーカーと発泡メーカーの事業領域が明確に分かれている。これら2つの要因が、日本で包括的なケミカルリサイクルを構築するうえで大きな壁となっていた。
同社が新たに開発したケミカルリサイクルは、独自の実証機を導入し、自社の製造工程で発生した端材を化学的に分解・再生することで壁を突破した。これにより、原料化から発泡にいたる一連の工程を自社のみで完結させる新たな循環モデルの構築に目途を立てた。
再生ウレタンフォームは、同社従来の素材と同等レベルの物性であることが検証されている。同社はこれまで、製造工程で発生する端材を粉砕し、成形したマテリアルリサイクル製品「ミクセル」の製造に取り組んできた。しかし、端材の中には素材の特性上、マテリアルリサイクルに適さないものがあり、一部を廃棄せざるを得ないことが長年の課題でした。こうした背景から、「製造工程で発生するすべての端材をリサイクルできないか」という強い課題意識のもと、ケミカルリサイクルの研究を進めてきた。自社製品を対象とした独自の原料配合や設備の検討を重ねた結果、実証実験で再原料化に成功した。
こうして開発された再生原料を用いたウレタンフォームに、「rePURous(リピュラス)」と命名した。ウレタンフォームを象徴する「PUR」を、再生を意味する「re」と融合させたもので、再生・循環・つながりという想いを込めている。「rePURous」を環境対応への取り組みを体現するブランドとして位置づけ、再生素材の認知向上と付加価値の創出を図り、環境負荷低減に真摯に取り組む企業の姿勢を広く発信していく。現在は、社内で発生した端材を対象に量産体制の確立を進めているが、将来的には、市場で役目を終えた使用済みウレタンフォームもリサイクルできるよう、さらなる開発に取り組んでいく考えだ。
2026年02月17日
