住友理工は12月23日、アールアンドアールフジクラが運営するフジクラゴルフクラブ相談室大阪店において、開発中のゴルフスイング可視化システム「INGRAVITY」が試験導入されたと発表した。今回の試験導入は、同店でのテスト運用における評価結果を踏まえ決定されたものとなる。
同社は、コアコンピタンスである「高分子材料技術」を応用した新製品の創出を推進している。同社独自の「スマートラバー(SR)センサ」は、医療・介護領域で活用されており、圧力を検知して重心変化を可視化できる技術となる。この技術をスポーツ分野の中でも重心コントロールが重要となるゴルフに応用することで、フォーム改善やパフォーマンス向上に貢献できると考え、「INGRAVITY」の開発を進めている。
「INGRAVITY」の主な特長は3点。
1点目は重心移動と骨格検出の統合可視化。足圧分布を測定するセンサーと、骨格検出を行う AIカメラを組み合わせ、スイング時の重心移動・重心のブレ・骨格動作をリアルタイムで可視化する。録画機能にも対応しており、スイング後の動作確認や指導にも活用できる。
2つ目は既存スタジオへの設置が容易という点。足圧分布センサーはゴルフマット下に配置する方式を採用しており、モーションキャプチャー装置を必要としない。既存設備に容易に組み込めるうえ機器操作も少ないため、導入・運用の負担を軽減する。
3つ目は従来のスイング環境との違和感が少ない点。足圧分布センサーは厚さ約6mmと薄い素材で構成されており、ゴルフマット下に設置することで、従来と比較してもスイング時の違和感が少なく、自然な使用感を損なわない。
同社グループは、経営ビジョン「2029年住友理工グループVision」で掲げる「持続可能な社会に向けた価値づくり」を推進している。今後も、技術の進化・融合による新たな価値創出を目指し、スポーツ分野・健康増進領域における製品開発・事業展開を加速させていく。
2025年12月25日



