BASF、米企業と契約締結 BDO誘導体の製品拡大

2023年10月20日

ゴムタイムス社

 BASFは9月29日、Cargill社とHELMAGの合弁会社であるQore LLCと契約を締結し、バイオベースの1、4-ブタンジオール(BDO)であるQIRAの長期的入手が可能になったと発表した。
 Qoreは、アイオワ州エディビルにあるCargill(カーギル)のバイオテクノロジーキャンパスとトウモロコシ精製工場でバイオベースのBDOを製造している。
 同社はQIRAによって、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール(ポリテトラヒドロフラン、PolyTHF)やテトラヒドロフラン(THF)のバイオベース製品で、既存のBDO誘導体の製品ラインアップを拡大する。
 最初の商業出荷は2025年第1四半期を予定している。
 QoreはQIRAブランドのもと、バイオベースのBDOを製造している。QIRAは、トウモロコシから得られる植物由来の糖類の発酵によって製造しており、化石資源由来のBDOと同じ品質の製品規格を実現している。
 QIRAを使用することで、同社は対応する化石資源由来化学品よりも低いPCFのBDO誘導体を製造できるようになる。QIRAをベースとするBDO誘導体は、化石資源由来のBDOを用いた誘導体と同等の品質を備えている。
 BDOは、水着、スポーツウェア、下着、さらにはシャツやストレッチジーンズなどのアウターウェアなど、幅広いテキスタイルに使用する、伸縮性のあるスパンデックスやエラスタンファイバーに不可欠な出発原料である、PolyTHFを製造するための重要な前駆体。
 PolyTHFは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)製造のための化学的基本的骨格となる。同社のユーザーはTPUを使用して、主に自動車産業向けの耐摩耗性・伸縮性に優れたホース、フィルム、ケーブル被覆を製造している。その他の用途としては、スケートボードやインラインスケートのホイール製造に使用する熱可塑性ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、キャストエラストマーなどがある。
 欧州、北米、アジア太平洋地域に5つのPolyTHF製造プラントを持つ同社は、多用途中間体の大手サプライヤー。BDOは、主に医薬品の製造に使用するTHFに活用している中間体でもある。同社は世界有数のBDO誘導体の製造業者となる。

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