売上・利益とも改善傾向に タイヤ4社の非タイヤ部門

2021年08月23日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の21年12月期第2四半期の非タイヤ部門は、住友ゴム工業、横浜ゴム、TOYO TIREの売上は前年同期を上回った。ブリヂストンも国内化工品事業は営業損失となったものの、米州多角化とスポーツ・サイクル事業は黒字を確保し、各社の非タイヤ部門はコロナ影響で大きく落ち込んだ前年同期から業績は改善傾向が鮮明となっている。
 ◆ブリヂストン
 ブリヂストンの非タイヤ事業である多角化部門は、ベルトやホース、免震ゴムなどの化工品事業に、スポーツ・サイクル事業に、米州多角化事業を加えたセグメントで構成されている。
 第2四半期の多角化部門の売上収益は1797億円、調整後営業利益は22億円の損失となった。このうち、化工品事業の売上収益は1199億円、調整後営業利益は62億円の損失、米州多角化事業(空気ばね)の売上収益は196億円、調整後営業利益は27億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は387億円、調整後営業利益は13億円となり、「米州多角化事業とスポーツ・サイクル事業は黒字を確保したものの、国内の化工品事業は利益率は改善しているものの、引き続き事業ポートフォリオの問題を抱えている」(同社)としている。
 ◆住友ゴム工業
 住友ゴム工業の非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。
 第2四半期の両部門合計の売上収益は708億円で前年同期比6・5%増、事業利益は66億円(前年同期は14億円の損失)となった。
 このうち、スポーツ事業は、売上収益が514億円で同72%増、事業利益は55億円(前年同期は29億円の損失)となった。ゴルフ用品は各主要市場でコロナに伴う市場縮小に反転が見られた結果、北米や韓国を中心に販売を伸ばし売上収益は増加した。テニス用品も売上収益は前年同期を上回った。
 産業品他事業は、売上収益が194億円で横ばい、事業利益は11億円で同27%減。インフラ系商材での大型物件の減少や制振ダンパーの受注が減少する一方、衛生用品のゴム手袋や医療用精密ゴム部品は受注増加による販売増となった。
 21年12月期通期予想は、スポーツ事業は売上収益が950億円で前期比35%増、事業利益は60億円(前年同期は7億円の損失)、産業品他は410億円で同1%増、事業利益は25億円で同21%減を見込んでいる。

 ◆横浜ゴム
 横浜ゴムの非タイヤ事業は、MBとATGで構成されている。第2四半期のMB部門の売上収益は402億3800万円で同4・7%増、事業利益は21億1000万円で同81・6%増となった。
 ホース配管事業は、半導体不足などの影響があったが、市況回復により建機向けおよび自動車向けホース販売が好調で増収。工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が好調だったが、海洋商品が振るわず減収となった。
 ATG部門の売上収益は売上収益は482億3300万円で同60・5%増、事業利益は71億2000万円で同119・7%増。OHT(オフハイウェイタイヤ)は旺盛な需要があり、特に農機用タイヤは活況に推移。バックオーダーを抱える状況が継続している。

 ◆TOYO TIRE
 TOYO TIREの非タイヤ部門は、防振ゴム部品などを製造する自動車部品事業で構成されている。
 第2四半期の自動車部品事業の売上高は198億8400万円で同23・3%増、営業損失は9億3800万円(前年同期は18億500万円の損失)となった。「自動車部品事業は北米を中心に新車販売の回復を受け、受注車種の販売が好調に推移し、売上・利益ともに着実に改善している」(清水隆史社長)と言及した。

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